第41話 噂
「ふむふむ……森に見た事も無いモンスター、とな」
「あらあら。それは大変ねー」
「そうなんだよー」
「お陰でライトニングガゼルやホワイトパールラビットの皮が手に入らなくて」
「ウチもトレント系が軒並み」
「どうも暴れてるっぽいんだけど村のやつらは見たことないって」
「爺ちゃん達も気をつけてって話」
なるほどのう……
森に見た事も無いモンスター……か。
孫たちが教えてくれたのはモンスターの目撃情報。
儂らが道を作っている方角とは別方向で目撃されているらしい。
まぁ、姿を見たものはおらんと言う謎の事象じゃが。
どうもなにか大型モンスターが暴れた跡と草食モンスターが食い荒らされた形跡があったらしい。
「向こうの方角ならフォーハンドベアの群れやグレイトジョードラゴンの住処があるじゃろ。その辺は調べたんか?」
「もちろん」
「セキのアニキが調べに行ったぞ」
「セキさん、だろ。村の外の人が来てるんだから」
「形跡的にドラゴン系じゃなさそうって。鉤爪の傷跡的にグリフォンとか鳥型モンスターじゃないかってさ」
「空からの奇襲にきをつけて、って事ね。お爺さん、注意しましょうね」
「うむ。情報ありがとう」
「「「「「じいちゃん!ばあちゃんも気をつけて!」」」」」
五つ子はそう言ってまた走っていった。
大型の鳥モンスターか。
時期的に渡り鳥的な周回型モンスターの可能性も否定は出来んのう……
この森は謎が多すぎる。
50年住んでおるが未だに新発見を見つけることがあるからのう。
「さてさて……どうします?お爺さん」
五つ子が見えなくなってから婆さんが俺の顔を見る。
「どうします、と言ってものう……」
「あの感じ、お爺さんにお願いしに来たんじゃないですか?」
「……やっぱり?」
「フフッ、昔と変わりませんねー。本当のおねがいの前に噂話を持ってくるところ。シローにそっくり。誰に似たんだか」
「……儂はお願いは直接言うぞ?」
「ほんとですかー?」
……多分。
けど、未知のモンスターとなると村の自警団だけじゃ厳しいかの?
いや、儂は引退した身。
今の村の強さを信じよう。
無理なら無理としっかり連絡してくれるじゃろうし。
―――――――――
閲覧ありがとうございます!
大変申し訳ないのですがリアルが忙しいため一旦更新を停止します……
いやー、2作連載はきつい!
そもそも繁忙期が1年延長は聞いてないって……
またストックが一定数貯まりましたら投稿を開始しますのでのんびりお待ちください。
希望は12月!
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嫁と異世界に飛ばされ50年、孫達のために今から本気出す 金剛石成 @Congo
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