番外編

史悠しゆうが息を引き取ってから今日で1年。

私は、史悠しゆうのおかげで、沢山のものを得ることが出来た。

私には、「生きる意味」がなかった。

それを、君は与えてくれた。

私ね、医者になりたいんだ。

もう、私は無力じゃない。

人が倒れた時の対処法も知った。

「雨滅病」について、詳しく学んだ。

将来、「雨滅病」で苦しむ人たちを、助けるんだ。

――この夢は、君がくれたもの。

私は、君がいたから学校でも「友達」をつくれたり、「努力」することが出来た。

一年前の私とは、もう違うんだよ?

全部、君のおかげ。

君がいたから。

だけど、君はもう居ない。

この空を、一緒に見たかったなぁ。

夢が見つかったよって言えば、「頑張ったね」って、褒めてくれたのかなぁ。

一年が経ったけど、まだ頭にあるのは君のこと。

君、だけだ。

だから、生きていて欲しかった。

隣に居て欲しかった。

温もりが欲しかった。

私は、君を――。


「いつまでも、愛してるよ!」


この声が、史悠しゆうまで、届きますように。

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雨の日、君は。 @umiuta

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