第3話魔法使いのアルバイト
魔法使いのアルバイト
家出の翌朝、一晩は取り敢えず貯めて持ってきていた小遣いで駅近くの宿舎で寝泊まりした一人と1匹は
身支度を済ませて宿舎を出た
ペネロペ「よしっ!頑張ってアルバイトして魔導書つくるぞ!」
と意気込むが
数時間後
ペネロペ「ダメだ…全然見つからない。」
一軒目はすでに魔法使いを雇っていて人が足りている。
二件目は学校を卒業していない魔法使いは雇えない。
三件目も4件目も似たような理由で
何よりペネロペが魔法が苦手な魔法使いというのが最もな理由だった。
途方に暮れていると。
どこからか林檎が転がって来た。
一つではなくいくつも
??「おぉーい!その林檎達を拾ってくださりませんか!」
坂の上から杖を付いた老人がそう言っているのを見て
ペネロペとガリプは慌てて林檎を拾う。
ペネロペ「これで全部?」
ペネロペはそう言いながら林檎を老人に手渡した
老人はそれを受け取るとペネロペの杖を見て
??「いやはや、助かりました。魔法使いのお嬢さん、小さい君、ありがとうございます。」
そう言って頭を下げた。
ガリプ「多分傷はついてないと思うよ」
??「本当に何から何まで何とお礼をすれば良いか。
久々に一人で買い物に来たのですがこの歳になると重いものを持つのも億劫で、少し休もうとしたら転がってしまいましてねぇ…助かりました」
ペネロペ「お爺さんさえ良ければお家まで荷物運ぼうか??」
ペネロペはそう提案した。
??「いいのですか?」
ペネロペ「うん!私飛ぶのあんまり得意じゃないから徒歩になるけど、それでも良ければ」
??「それではお言葉に甘えて。
おっと、名乗ってませんでしたね。私はベルカントと申します」
ベルカントと名乗る老人に
ペネロペ「私はペネロペって言います。こっちは相棒のガリプ。」
ガリプ「どうも。」
ベルカント「改めてペネロペさん、ガリプさんよろしくお願いします。」
ベルカントは再び頭を下げた。
______________
ベルカントについていくこと1時間。
先ほどの町からずいぶん森の中へとやって来た。
そこにはこじんまりとしているが十分な広さの家が立っていた。
ペネロペ「お爺ちゃん、こんな森の中に一人で住んでるの?」
ベルカント「えぇ、今は一人です。
ささ、中へどうぞ」
ベルカントに言われて家の中に入るペネロペとガリプ。
そこにはいろんな植物や宝石、工具など様々なものがあった。
ペネロペ「素敵なところだね。まるでお店みたいだし。….やさしい魔法の匂いがする」
ペネロペは林檎を机の上に置いてふと思ったことを口にする
ベルカント「おや、魔法使いというのはそんなことまで分かるのですか?」
ペネロペ「うーん、私はなんとなく分かるけど…魔法使いみんながって言われるとどうなんだろう…?」
ペネロペは首を傾げた。
ガリプ「ここ、魔法使いが住んでたの?」
ベルカント「えぇ、私の奥さんが魔法使いでした。」
ペネロペ「そうなの!?じゃあ私の先輩かな??」
ベルカント「ほっほっほっ!生きていたらそうかもしれなかったですなぁ。
彼女は20年前に魔法使い特有の伝染病で天国にいきましてね。
ここは元々、彼女がマギアから越して来てから300年間切り盛りして来た薬屋だったんです。
私はそこの常連で彼女に惚れ込みましてね。
それはもう毎日猛アタックしてました。
結婚してからは私も薬屋を手伝って。
彼女が死んでから店は畳みましたが
……本当に幸せでした。」
ペネロペ「そうなんだ…素敵な話だね」
なんだかしんみりするペネロペとガリプ
ベルカント「えぇ、ですがこの家も今週末に片付けて壊す予定でして。
私が年でしてね来週から甥孫が住む隣町に一緒に住むことなったんです。」
….最後に彼女と同じ魔法使いが訪れてくれたのも何かの縁ですね。
良ければ使えそうなものもらってやってはくれませんか?
私ではよく分からなくて」
ペネロペ「!でも、お嫁さんの大事なものなんじゃ?お爺ちゃんが引っ越しの荷物と一緒に持って行ったら?」
使い勝手わからなくても置いとくだけでも意味あると思うし
とペネロペは付け足すが…
ベルカント「いえいえ、
道具は使ってこそ、使える人がもってこそです。
ペネロペさんさえご迷惑でなければ…」
ペネロペ「ほ、本当にいいの?私、魔法めっちゃ下手だよ??もしかしたら魔法使ってる時に壊しちゃうかも…」
ベルカント「もちろんですとも。」
ペネロペ「じゃじゃあせめて片付け手伝わせて!!私、しばらくはこの街にいる予定だし!」
ペネロペはその場でそう頭を下げた
ベルカント「おや、それは助かります。
客室もありますのでよろしければしばらく泊まって行ってくださいな。
ここは人里離れてますし通うのは大変でしょう」
ペネロペ「ほんとに!?やった!ありがとう!」
あっさり寝床を確保してしまったペネロペを唖然としてガリプは見ていた。
魔法使いの旅 鴉メルヘン @CaramelA
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔法使いの旅の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます