第22話

「アハ、あははは!」


眠った後にも聴力は残るのか、聞こえる。


「鈴山美月……あたしもあと何年かしたら死ぬんだ」


「卒アル、貰ってくよ」


「あんたはさ、アカネのことも忘れたらしいけど、いじめでもいじめじゃなかったよ」


「でも、こんなに辛いから、戻りたいなんて言わないで欲しかった」


「あたしは、そっちに行きたいよ」


「あんたと初めて話した時の夜空は、すごい綺麗だったから」


「ゴミ女、あたしの事を見上げるのはさ、初めてじゃない?」


「今まですごい上から目線だったもの。初めて話した時の夜空も、あんたは見上げてなかった」


「夜空を見上げたことがないのね、アタシの名前は夜空カナタ」


「楽しそうな人になんて、なれる訳ないじゃん!バッカじゃないの!」


「よし、次はヤマザ――」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブレス、レッド。 酸性ラムネ@プロフ見て @sannsei999

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画