第21話

「ごめんな、カナタ」

「ジュース、ゴミ女」


最後までトゲのある言葉が刺さる――腹に!


カナタが右手に持った――ナイフ。刺さる、刺さる、奥に、おくに。


「うぇっ……」


病室のベッドは真っ赤に染って、息を吐くと血が出てくる。


ブレス、レッド。


ブレスレットも真っ赤に染っているのが見えた。生暖かい中で、カナタの涙で溺れかける。


その涙は――甘かった。


笑うカナタに刺されるけれど、もうこれで良かった。


眠気の中で、カナタの右手を握り直す。ゆっくり、手前に引いた。


眠くて、倒れ込んだ。

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