神殿第二層

 なんとか鏡餅を倒すことができた。けど今回は本当に危なかった。一歩間違えれば普通に死んでいた。針の攻撃もヤバかったし溶解液なんて凶悪すぎだろ。ただ強敵なだけあって魂力が68まで上がったな。


 ふと顔を上げると目の前には戦っている時にはなかった扉があった。


 「何だこれ?もしかして出口か?いや出口であってくれ、こんなわけ分からんところにこれ以上いたくない。」


 急に出てきた扉に不安も感じたが、この場所から早く出たい一心で俺は扉を開けた。


 目の前は………さっきと同じ一本道が広がっていた。


 「もうええて、せめてせめて違う風景にして。初めは迷わなくていいとか言ってたけど殺風景すぎて心折れそう。人肌が恋しい」


 だが愚痴ってても仕方ないので扉をくぐることにする。


 『界渡りの神殿第一層を攻略しました。身体が*****に25%適応しました。』


 扉をくぐった瞬間頭の中に声が響いた。


 おおおお?何かよくわからない言葉だらけだったぞ。まず今いる場所がどこか分かったな。界渡りの神殿っていうらしい。格好いい名前だな〜、それに第一層を攻略したということは今いるのは第二層ということか。

 ただ身体が適応したっていうのはなんだ?今俺の身体が作り変えられているのか?普通にめちゃくちゃ怖いんですけど、

 

 でも振り返るとやっぱりさっきくぐった扉はなく壁が元からそこにあったかのように佇んでいる。


 後戻りができないのは変わらないらしい。本当になんでこんなとこ入っちゃったんだろう、マジで自分の考えなさに呆れてくる。


 進んでいると前から何かがこっちに来る気配がする。


 ベチャベチャベチャ


 何かスライムとは違った気配だ。神殿に長時間いたおかげか遠くの気配を感じ取ることが出来るようになった。不意打ちされる危険性が減るから嬉しい。

 まだ目視で確認することはできないが今のうちに戦闘準備はしておく。


 「身体強化:炎舞」


 魂力が上がったおかげか前より体が軽くなったように感じる。そして視力が上がった俺の目が前からくる魔物の正体を捉えた。


 何だあれ、スライムのような見た目だけどなんか違う。絶対あれ毒あるだろ。


 スライムよりもっと液体に近く色は毒々しい色をしている。それに通った床が爛れたように溶けている。


 あれは短剣で触れたら短剣ごと溶けそうだな。だったら魔法でやるか、液体に近いし炎は相性が悪そうだな。あいつを倒せそうなのは何かないか?液体状の相手には氷か?氷を使った魔法、イメージだイメージ、触れた瞬間凍てつき砕くような魔法がいい。トリガーは短剣で斬ることにするか、短剣が触れたところから凍っていき、斬り裂くことで砕ける。

 短剣を覆うように魂力を循環させていき魂力に氷の属性をつける。すると短剣の刀身を冷気が覆い出した。

 技の名前は


 「氷砕裂波」


 唱えた瞬間、短剣を覆っていた冷気が氷の刀身に変化した。

 

 いい魔法ができた。後は当てるだけ、

 加速できるように一旦距離をとる。そして足への身体強化を強めてく、

 

 いくか!

 

 全力で踏み込みどんどん加速する。敵が何か攻撃モーションをしていたがそれが終わる前に肉迫する。そして勢いそのままに斬り裂き通り抜けていく。


 魔物は反撃できず斬り裂いた部分から急激に凍っていき砕けた。


 『ヴェノムを倒しました。魂力が68から72に上がりました。』


 




 


  


 


 

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