あとがき

 はじめに、でも書いたのですが、本小説は「科学になぐさめられる時Ⅰ」のちょっと前に、何となく「書こうかなぁ。」なんて思い始めたものでした。その当時は、「もう一本、量子力学の不確定性原理を題材に書けたら、サイエンス三部作になって、ちょっとは様になるかなぁ。」なんて考えていました。相対性理論と進化論と、それに量子力学と言うわけです。病気のため、仕事をしなくなってしまってから、それこそ暇な時間は嫌というほどありましたから、「それ終ったらどうしようかなぁ?」とか、「本当にやる事なくなっちゃうぞ!」、なんて心配もしました。

 でも、蓋を開けたら、これ自体完成させるまでもなくなっちゃいました。情けない限りです。


 よく、「やり残したことはない。」、とか「やりたいことはやりつくした。」、とかありますが、私の場合、「これ以上やりたいことをやれと言われたって、もう何も出てこないんだけどなぁ。」、みたいな感じでした。逆さ釣りにされて、身体ごと揺さぶられたって、ポケットからは落ちてくるものはもう何もない状態です。行動力も創造性もこれっぽちも残っていません。すっからかんです。これはこれで情けない限りですが、ありがたい限りでもあります。


 なんか、腹の底から大笑いして終わりたい気がしています。楽しい時間をありがとうございました。

2024/02/12


 と、弱気なことを言っていたのが先月の事でした。お恥ずかしながら、この後、息子たちに刺激をもらったり、妻の優しさに助けられたり、そして何といっても初孫の孫娘に生きる喜びを教わったりして、何とかこの小説は終わらせることが出来ました。人生のこの期に及んで、しかも死を眼の前にして、こんな感情になるなんて本当に信じられませんでした。ありがとうございます。

 残された時間は、みなさんへの感謝と、甘いものと、ちょっとだけ量子力学の小説に費やそうと思います。


 腹の底から笑って終わることにいたします。楽しい時間を本当にありがとうございました。

2024/03/吉日

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