小さな魔道士が禁忌を犯すのは、一目惚れした姫の為

最終話まで拝読致しました。

小柄でちょっとむっつりな少女魔道士イーリスが、呪われた麗しの令嬢ユリアーナの為に魔法を振るう王道ファンタジー百合。

結末に触れる為に全てを述べる事は避けますが、やっぱり奥手×誘い受けの百合カップルは最高ですね。二人の言葉から窺える甘酸っぱさ、じれじれ感共に高水準で、百合バリスタも納得の出来に違いありません。もっと、もっとだ……もっとやって欲しい……!

話数は短く、シンプルなストーリーラインの為に、するりと物語に浸れるのが嬉しいポイント。シンプルとは述べましたが、こだわりの地の文や描写、キャラクター達のやりとりの中に練り上げられた世界観が広がっていて、ファンタジー作品としてしっかりしたボリューム感があります。

全体的にはコンパクトにまとまりながらも伏線展開、回収までしっかりこなされていて、南村さまのお点前に舌を巻くばかりです。しゅごい。

眠りにつく前にベッドで読んで、そのまま夢で続きを見たくなる様な、そんな素敵な百合でした。