第4話
内容を聞いてみると、少女には妹がいて、母親が妹ばかりかまって、自分には中々かまってくれない。
姉妹によくある話だ。
そんな日々が過ぎて遂に限界がきたらしい。
母親に文句を言い、衝動的に家を飛び出した。
少女は
「私のこと嫌いになったんだよ。」
と言いながら最後には泣き出してしまった。
泣き出した少女を見て少し慌ててしまったが、なんとか落ち着かせるために、
「ママは嫌ってないと思うよ。しっかりしていると思われたから、安心してるんだよ。ママが心配していると思うから早くお家に帰ったほうがいいよ。」
とあやしながら諭しながら言った。
少女は泣き止み、聞いてくる。
「ほんと?」
「本当だよ。ほら雨もあがったからいまのうちにお帰り。」
少女は頷き、コインランドリーから走って出ていく。
その姿を見守り、頑張れと心の中で応援した。
ちょうど乾燥機が乾燥終了の合図が流れたので、上着を取り出す。
「遠出するのも悪くはないかな。」
そんなことを呟き、コインランドリーを後にする。
天気も晴れてきたので、濡れた衣服もそのうち乾くだろう。
まだまだ時間も沢山あるし、あまりない機会だし、
もっと知らない所に行ってみてもいいかな。
そんなことを思いながら、バイクにエンジンをかけ、出発する。
楽しいツーリングはまだ始まったばかりだ。
ある雨の日の出来事 @satogo
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