生贄9


 一部黒塗り怪文書と化している箇所が存在しますが、個人ヤマダ的に不出扱いにしている名前が挙げられているための措置です。ご了承ください。




・あなたについて教えてください


1:ペンネームを教えてください

水無月みなつき彩椰。みなづき、ではないです。


2:そのペンネームに込めた意味がある場合は教えてください

※ない場合は空欄で結構です

→ 自作のキャラの水無月彩からそのまま貰ったものです。本名の一部が〝彩〟なので元々はそう名乗っていましたが、ペンネームとして考えるとバランスが悪かったので修正しました。響きと〝彩〟以外に意味はないです。そもそも、なぜ水無月彩というキャラ名にしたかのほうが疑問です。


3:あなたにとって〝あなた(ペンネーム時の自分)〟とはなんですか?

→ 〝本名の私〟という主人格を飲み込んでしまった新たな人格、です。〝私〟と〝水無月彩椰〟は肉体的・精神的に統合されたようなものですが、似て非なるものだと思っています。作家・水無月彩椰として生きている自覚すらあります。


・〝あなた〟(と創作)について教えてください①

※抽象的な質問が多いため各々質問の意味合いを推察して好きなようにご回答ください


4:前提として、あなたにとって創作とは?

→ 生きがい、或いは生きる理由そのものです。創作物を享受するだけではもはや生きていけず、延々と生み出す側の人間になってしまいました。なにかしら書いていなければ死んでしまい、書けなければ罪悪感に喘ぐ存在なので、麻薬よりもタチが悪いような気もします。どちらにしろ、苦の果てに何かを創造し、他者の心に彩りを与え、自分が満足する───という幸福的スパイラルに最上の喜びを見出しているので、死なない限りはやめられません。


5:〝あなた〟にとって創作とは?

→前項の回答に同じ。


6:〝あなた〟にとって文章は 紡ぐもの/書くもの/綴るもの/吐き出すもの のどれに該当しますか?

※該当しない場合は別途記載をお願いします

→ 描くもの、時として綴るもの、だと思いました。執筆時の脳内はアニメ映像をベースにシーンが展開されており、構図のマクロもミクロも問わず、私はそれを写実的に描き表すだけです。絵画でいう着彩のようなイメージで、多種多様な文章・語彙を用いているという感覚。ただし心情を表すことは〝描く〟というニュアンスにそぐわないため、あくまで〝描く〟という行動の尊重をするとしても、これは〝綴る〟というほうが適切だなと考えました。〝紡ぐ〟は掻き集めて撚り合わせるイメージなので、やや違います。〝書く〟は他と比べて無意識的な動作に感じます。〝吐き出す〟はキャラの目線に立てばその通りですが、書き手の目線からすると不自然です。なので消去法的に〝綴る〟を選びました。キャラの心情を聞き、文章として代筆する、つまり〝綴る〟です。


・これが最高傑作だと宣える作品について教えてください


7:作品名を教えてください

→ 鏡鑑の夏と、曼珠沙華

▶︎ https://kakuyomu.jp/works/1177354054895912792


8:その作品の見どころを140文字以上1000文字以内で教えてください

→ 夏と田舎のノスタルジーという、一貫したコンセプトによる情景描写をもとに、わずか十日というタイムリミットのなかで描いた〝初恋の相手〟との再会と別れまでを描いています。あやめという少女を軸に据え、幼馴染の彩織と親友の小夜を含めた、同級生三人の間の物語──というのが、本作の大まかな概要。〝かつて見た夏の眩しさ〟を探すために帰省した彩織は、そこであやめの死、そして彼女が〇〇であることを知ることになります。一度は動揺するものの彼はそれを受け入れ、〝あやめは彩織にしか見えない〟という事実のもとに敢えて触れず、死より◯◯に寄り添う形で空白の四年間(かつての夏休み)を取り返すことにしました。しかしある出来事を境に小夜から死の真相について告白を受け、彩織とあやめの関係には〝明確なタイムリミット〟が定まることになります。これを軸に作品の方向性が一変し、この夏は二度、繰り返す、という裏コンセプトのもとに、彩織とあやめの〝四年間を取り戻すための夏〟は、彩織と小夜が〝四年間の贖罪を果たすための夏〟に変貌しました。ターニングポイント以前、以降の〝繰り返し〟がどのように描かれるのか、というところは、全体を俯瞰すると見どころ足り得るのではないでしょうか。舞台設定、モチーフ、展開すべてが〝エモーショナル〟を構築するための人為的な配置であり、だからこそ、作品世界に身を置いたような没入体験が得られるのです。写実性を誇る精緻美麗な情景描写は水無月作品における随一の特徴であるので、目を通してくれると嬉しいです。


9:その作品は 根/茎/葉/花/実 のどれに該当しますか?

→ 〝根〟一択です。有象無象の物書きを、小説家の〝水無月彩椰〟足らしめるほどにさせたのは、ひとえにこの作品のおかげです。文体、モチーフ、ストーリー、それら全てが今の私を形作る土台となるもので、この作品がなければプロデビューはしていなかったとさえ言えます。さらに辿れば、この作品のコンセプトを提示してくれたのは紛れもなく山田百舌その人であり、それがなければ書こうとも思わなかった作品だったでしょう。デビュー作の[バーン・ホワイトウェイブ]とどちらを最高傑作にしようか悩みましたが、作品の愛着や尖り具合を加味した結果、こちらを選びました。芽は既に出たので、茎を伸ばし葉を生やし、花を咲かせ実が成るのは、きっとこれからです。


10:その作品を書くに至るまでにインスパイアされたと思われるものはありますか?

→ 以下に挙げますが、とちらも季節は〝夏〟です。夏という季節の良さ、そこに含まれるエモーショナルを具現化してくれたのがこれらの作品です。水無月作品を形作る土台となったのは間違いない、とまで断言できます。

木染維月著:夏空と君と私と、感情の話/Key:Summer Pockets


・〝あなた〟(と創作)について教えてください②

※抽象的な質問が多いため各々質問の意味合いを推察して好きなようにご回答ください


11:〝あなた〟の強みはなんですか?

→ 情景描写とモチーフ選択───とりわけ夏の───です。自分のなかにある理想の風景を写実的に描いていたら、いつの間にか情景描写が得意になっていました。モチーフ選択はそれを引き立てるためのもので、意図的に〝エモーショナル〟を作り出そうとする考えによります。心理描写も得意……という自覚はありませんが、プロとして本が出せる程度には、と言っておきます。


12:〝あなた〟に足りないものはなんですか?

→ 創造力と構成力です。私が描く世界には独自性がなく、ほとんど現実の延長線上でしかありません。そのため、伝奇性の強い世界観には昔から憧れがあります。幻想的なものであったり、退廃的なものであったり……。個々の感性がかような独自世界を生み出すのであれば、私はやはり感性が平凡なのか……とたまに思います。それならストーリーで魅せればいいじゃないか、という話ですが、その構成力も個人的には今一度です。なろう系のようなファンタジー的テンプレこそ書きませんが、[鏡鑑の夏と、曼珠沙華]も[バーン・ホワイトウェイブ]も、感動系という視点で見ると、あまりにもテンプレかつ王道すぎる展開しか存在しません。序盤と終盤はまぁまぁだと個人的に思っている反面、中だるみしそうな中盤しか思いつかないので仕方なく書いていますが、ここは明らかに実力不足です。どちらも最終的に泣いてくれた読者はいますが、彼らが泣いているのはストーリー展開ではなく、キャラの生き様に、なので……。そこでなんとか誤魔化しています。


13:〝あなた〟が創作をする際 絶えず映像が流れている/漫画のようにコマ割りされている/イメージを捏ねて試行錯誤している 状態のどれから文章化をしていますか?

※該当しない場合は別途記載をお願いします

→ 絶えず映像が流れている、にほど近いです。映像というよりはアニメ的なビジュアルで、ですが。24fpsですーっと流れていくこともあれば、シーンによっては途切れ途切れ、またスチルのように静止画なこともあります。


14:ネタ出し方法を教えてください

→ 例えば新作を書く時は、だいたい書きたいものの要素を挙げています。そこから類似作を探し、設定や展開を記憶しておきます。あとはこれらインプットを含め、経験という名の引き出しからそれっぽいものを取り出し、なんとか形にまとめていきます。そうすると不意に新たなアイデアが浮かんでくるので、それを採用します。複数要素の組み合わせが化学反応を起こすことにより、これまでの経験から新規アイデアが思いつく、という形なのかもしれません。なお執筆途中はプロットから逸れることがあまりなく、話も書きたいものが明確に定まっているので、ネタが思いつくことはありません。


15:確実に自身に影響を及ぼしたとされる書籍があれば教えてください

→緋弾のアリア(著:赤松中学)は創作の原点となった作品です。


16:確実に自身に影響を及ぼしたとされるアーティストがいれば教えてください

→ユリイ・カノン/█████(※山田百舌の前世)/木染維月


17:〝あなた〟が思う 読んでもらうための努力 とはなんですか?

→どこかを尖らせること、だと思っています。万人に受ける作品を作るのは難しいですが、自分の書きたいものを書くにしろ、テンプレ寄せをするにしろ、それが並みのレベルではいけないのではないでしょうか。どこかにひとつ譲れないもの───文章力、構成、設定、モチーフ、好みなど───尖ったものがあれば、それが一部の人に刺さるはずです。自分の尖ったところを探し、伸ばすことが、たとえ対象が一部であれど、読んでもらう努力だと思います。


18:〝あなた〟が考える 人に読まれる文章 とはなんですか?

→〝生きている〟文章、とでも言いましょうか。書き手の思いや情熱が滲んでいるものはもちろん該当しますし、キャラが生きていることも、もちろんそうです。逆説的に考えれば、人に読まれない文章というのは、〝死んでいる〟文章です。描写の巧拙はいったん置くとして、そこに書き手の思いがないもの、キャラが平坦で味気ないものは読む気がしません。最近のもので言うならば、AIの文章はまさにそれです。整った文章だとしても、そこに書き手の思いが感じ取れないので、面白みはないです。しかし多少の粗はあれど、何かしら伝わるものがある文章は読まれやすく、評価されやすいと思います。


19:〝あなた〟は、あなたが好きですか? 嫌いですか? 愛しいですか? 疎ましいですか?

→自分自身に好きも嫌いもないです。


20:読者へメッセージ(140文字以内)

→お初にお目にかかります、小説家の水無月彩椰と申します。少しでも気になった部分、面白いと思った部分などあれば、ぜひ作品のほうを読んでくれると嬉しいです。損はさせないです。よろしくお願いいたします。気の利いた言葉が言えなくてすみません。いま飲んでいる日本酒が美味しいです。


21:山田へメッセージ(140文字以内)

→█████(※山田百舌の前世)のおかげで私はプロになれた。本当にありがとう。█████(※山田百舌の前世)を追いかけてTwitterを始めていなかったら、きっと出会わなかったかもしれないね。デビューに至るまでの全ての出来事が█████(※山田百舌の前世)に由来しているから、あの時から既に運命だった。やっぱり█████(※山田百舌の前世)は私の中で神様だよ。


22:〝あなた〟が声を大にしてお勧めしたい本や作者さんがいたら教えてください

→昭和の文豪になりますが、夢野久作が私は好きです。日本三大奇書とされる大長編[ドグラ・マグラ]で有名な彼ですが、個人的には長編よりも中短編のほうが読み応えがあります。夢野独特の文体が癖になるのです。随所に見られる妖艶な美しさは、ただ妖艶であるものもあれば、猟奇的ゆえに美しさを放つものもあります。おすすめは[少女地獄]という書簡体形式の短編集第一作[何んでも無い]。青空文庫で読めるので、まずは何も考えずに読み始めてください。お暇があれば、ユリイ・カノンの[少女地獄]を聴いてからのほうが面白くなるでしょう。あのモチーフはまさに夢野の[少女地獄]です。




回答ありがとうございました。


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