江戸時代風の「ファンタジー」ではあるものの、その文体や背景設定等がしっかりと考えられており、普通の時代物言われても気付かないくらいのクオリティの物語です。
また、作中で訪れた土地の地理や歴史等のことが丁寧に描写されており、実際に訪れたことがなくとも臨場感をもって他人に語ることができそうなほど耳学問が捗ります。
主人公弓削之介の活躍も注目すべき点で、ポンコツなせいかハラハラドキドキさせられることもありますが、本当に決めるべきときはしっかり決めてくれるので安心です。その勢いで恋愛もきっちり決めて、早く江戸でイチャイチャしているところが見たいです!
多くの方におすすめできる作品です。
弓削之介(ゆげのすけ)は、花坂藩の次男坊。
家を継ぐ予定もなく、継ぐ気もなく、本来なら、のん気な人生を歩むはずでした。
まだ日本では珍しい、ブドウ酒でも飲みながら。
ところが実は、そうもいかなくなってきていました。
望む望まないにかかわらず、彼の運命の風向きは変わってしまったみたいです。
お家騒動の予感が。
父親やその周囲から、だんだん外堀を埋められていく、弓削之介(ゆげのすけ)。
彼は、藩を背負って立つ覚悟を決められるでしょうか?
日本の江戸時代によく似た異世界を舞台にした「和風ファンタジー」。
各々がた、ぜひとも読んでいただきたく候。