第2話魔王、異世界でも容赦しない。

かつて、世界を恐怖で震わせた強大な魔王と、異世界から召喚された勇者の戦いがあった。


両者の戦い戦いは三日三晩に続き、2人の周囲は荒れ果て、更地になり、巨大なクレーターが出来上がった。

お互いに1歩も引かぬ激闘の末、勇者が勝ったものの、最後の最後に魔王が放った自爆技の威力は凄まじく、直径60キロ以上にも及ぶクレーターができ上がり、勇者も2度と戦闘が行えない身体となってしまった。


そんな終戦の地に造られた国、聖ルイネン帝国。

巨大なエネルギー体である魔王の核をあらゆるインフラの核として利用し居住環境を整え、約800年程も繁栄してきた国だ。

その国の中心から徒歩でだいたい10日程の距離にある国境線上にある都市、シューツ辺境伯領では危機が訪れていた。


「な、なんなんだよ…なんなんだよあの化け物共は!!!」


1万を超えるゴブリン、オーク、オーガの混合軍。

その先頭に立つ2mを超えるぐらいの身長に額には2本の角、漆黒の肌に浮かび上がるのは紅く脈動しているこの世界のものでは無い文字。

右手には禍々しい気配を放ち、触れた物を崩壊させていく大剣、左腕は龍の鱗の様なモノがある龍腕。

左眼は潰れてはいるが、右眼は妖しく紅く光を放っている。


「気に入らねェ…ホントに気に入らねェ…」


一閃。


右腕のたった一振り。

たった一振りだけで数キロに及ぶ外壁が崩れ去る。


「俺は魔王、魔王ゴウキだ。その名を刻んで…死ね。」


ここから先はあまりにも一方的な蹂躙だった。

老略男女問わずに一方的に殺された。

不思議なことに陵辱はされなかった様ではあるが、ただただ圧倒的な暴力に圧倒され、気圧されていた。


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シューツ辺境伯領人的被害報告。


シューツ辺境伯家一族 全員死亡

死者 約2万7千人

生存者 約8千人

重傷者 約8千人

軽傷者 26人

行方不明者 約2千人


被害地域 シューツ辺境伯領 詳細


シューツ辺境都市 壊滅

その他5町 壊滅

その他20村 壊滅


※生存者からの報告によると【魔王】の襲撃との事。

ゴブリン、オーク、オーガ等の鬼系魔族が中心とした混合軍との報告あり。

尚、数は詳細は不明であるが、1万を超えると予測される。


これらの事から至急、対応されたし。


以上、調査報告。


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魔王、異世界にて。 凪無氏-ナナシ- @nana74

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