第3話:ホームシック。

情けないことに僕はめっちゃホームシックにかかった。

僕の世界に帰りたい・・・家にかえりたい。

僕がめちゃ落ち込んでるから眠夢ねむは心配した。


「どうしたの?ホウセイくん・・・元気ないね」


「家に帰りたいんだ・・・僕、絶対ホームシックにかかってると思う」


「ホームシック?・・・しょうがないね・・・」

「ホームシックなんてマリッジブルーみたいなもんだよ、いきなり

気にならなくなるから・・・」


「分かった・・・じゃ〜今夜から、私が添い寝してあげる」

「ひとりで寝るの寂しいでしょ?」

「私がそばにいてあげるからね」


ってことで僕が夜寝る時、眠夢が添い寝してくれることになった。


で、眠夢はベッドに入る前に着てる服を剥ごうとした。


「え?・・・裸になるの?・・・マズくない?それって?」


僕が言ったことを無視するように眠夢は服を脱いだ・・・そしたらあれま・・・

身体中毛が生えてるじゃん。

生えてないのは腕と足・・・それにおっぱい。

おっぱいなんか、おっぱいのところだけま〜るく毛が生えてない。

僕はてっきり顔を同じように体も毛なんか生えてないと思ってた。

だったら尻尾は?生えてるのかな?


「眠夢、後ろ向いて?」


「なに?ホウセイ、もしかしてお尻フェチ?」


「違うよ・・・尻尾生えてるのかと思って、普段はスカートとかジーンズの

中にしまってるのかな〜って思ってたから」


「尻尾なんか生えてないよ・・・あのね、尻尾が生えてるのは下等な動物だけ、

だから、いっしょにいちゃダメだよ」


「ついつい、猫と錯覚しちゃいそうになって・・・ごめんね」


髪と同じピンク色とイエローが混ざったお毛々が生えた眠夢・・・たしかに

裸なんだけど毛のせいで裸に見えないし・・・ぬいぐるみ着てるみたいだ。

だから、手も足もそうなんだけど、毛の生えてないおっぱいが目立つってば。


「はい・・・そっちに少し寄って」


「あ、ごめん・・・見とれてた」


「一緒に寝よ」


そう言うと眠夢は僕の横に入ってきた。

眠夢は横から僕にガバッ、ビターっと抱きついてきた。


「わはあ〜・・・なにこれ?モフモフ・・・めっちゃモフモフ」


「ホームシックなんて一週間もすれば忘れちゃうよ」

「それまで、私が毎晩こうしてあげるからね」


「あ・・・眠夢・・・・・・どこ触ってんの?そ、そこダメ」


「わは〜大きくなって来た」


「ダメだってば」


「大きくなっても使わないと意味ないんだよ」


「なんてこと言ってんの?君は・・・」


「あはは、ホウセイってからかうと面白いね」


「あのね・・・」


「どう、少しは元気出た?」


「あ〜・・・・僕に元気を出させようと・・・あ〜そうなんだ」


眠夢の言ったとおり、僕は一週間ほどでホームシックから解放された。


言い忘れてたけど、眠夢には当然だけど、ちゃんとお父さんとお母さんが

いるんだ。

お父さんはめちゃイケメンの猫・・・あ、違った、猫じゃないし。

お母さんも超美人・・・まあ眠夢を見たら、それは分かるかな・・・。


で、僕は眠夢の両親に紹介されて家族と一緒に普通に生活することになった。

眠夢が一人っ子でよかったと、思ったんだ。

そしたら眠夢にはお姉ちゃんがいるってことが分かった。


今は専門学校の寮に入ってるみたいなんだけど、週末には帰って来るらしい。

僕は眠夢がもうひとり増えるのかと思うと、なんとなく嫌な胸騒ぎがした。


眠夢がイヤとか嫌いって言ってるんじゃなくて、むしろ眠夢のことは大好き

なんだけど・・・でも眠夢みたいな積極的な子がもうひとりいたら絶対持て

余すよなって思って・・・。


END.


しばらくお休みします。

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モフモフの眠夢(ねむ) 猫野 尻尾 @amanotenshi

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