第20話 殺して(尊厳)でも奪い取られそう(菊一文字)
配膳を貰ってカティアちゃんと一緒にガラハドの取ってた席に着く。
「席取りお疲れ。大盛りでよかったよね?」
「おっ!?ありがとう。今日はボア肉シチューだったから楽しみだったんだよ。」
目の前の筋肉マッチョの名前はガラハド。
何かを殺してでも奪い取られそうな名前をしたこいつは同期入隊してから一緒に分隊の前衛でコンビを組んでる。
筋肉ダルマのこいつが大盾持ちのメインタンクで俺が攻撃前衛。
1年以上コンビを組んでるから前衛の連携にも不安は無い。
ちなみにガラハドはかなり面倒見がいい。
「カティアちゃんはもう分隊に慣れてきた?」
「結構馴染んできたわよ。今は支給されたボウガンの習熟をやってるわ。今日は動体目標に5割命中したからもうちょっとって感じかしら。」
「すご!?もうそんなに当てれるんだ。」
「カティアちゃんは昔から器用だよね。確か前の分隊では支援射撃よりもスカウト業務の方が得意って言って無かったっけ?」
「・・・・・レックス・・・レックスのレックスタイムはいつまで続くの?」
「レックスタイムって何!?」
カティアちゃんが難しい顔をしてこっちを見てる。
なんかどうもさっきからカティアちゃんの様子がおかしい気がする。
なにか不自然な事でもしちゃったんだろうか?
「あんたの様子がおかしいことよ。前は吃ってたのに今は普通になってるし。。。今日の訓練での頭の打ち所が悪かったのかしら?」
「えっ?レックスお前いつも普通に話してるよね。カティアちゃんと話すときだけ吃ってたの?なにそれ・・・キモ・・・」
「キモって言うなや。ナチュラルに傷つくから。」
なるほど・・・吃りか。ここはなにか言い訳を伝えておいたほうがよさそうだね。。。
「どうも頭打ってからあんまり緊張しなくなってる気がするんだよね。」
「えっ?お前同期の、しかも幼馴染相手に話す時に緊張してたの?マジでキモ過ぎ。。。」
「レックスはキモいからレックスらしいのよ。ずっとそんなもんだと思ってたからなんだか調子が狂いそうだわ。レックス、いつになったらもとのキモレックスに戻るの?」
「だからキモって言うのやめて?俺のハートはもうボロボロよ?それとカティアちゃん、吃りなんかわざとやってたわけじゃないから治ってるから出来ればこっちで慣れてね。」
「まあ、それよりも冷めないうちに食っちゃおうぜ。」
会話も落ち着いたのでボア肉シチューを口に運んでみる。
・・・・・美味い・・・・・
多分ボア肉の野生味は別に茹でてローリエとローズマリーで消してあるね。
お肉がホロホロだ。
胡椒無しの塩のみの味付けと根野菜の甘味だけでこれだけ美味みが出せるとは・・・かかった手間半端なさそう。
ミリアムさん、ガチで結婚してくれないかな・・・
それよりも今まで気がつかなかったけどそれよりもこの水、なんでこんなに無味無臭なのか・・・
これ、普通に井戸から生活魔法のウォータームーブで汲んだ水だよね?
前世の戦地での経験から水に関しては少し心配してたんだけど・・・
まあ、この水飲んで平気な思い出があるから飲んでみたんだけど・・・
ペットボトルに入ってた純水と同じ感じがする。
これは後で検証が必要かな?
そんな事を考えながら食べてるとガラハドが超弩級の爆弾を投下してきた。
「そういえばレックス、お前バルガスさん達から誘われた?」
「ゑっ!?何に?」
「なんか今日皆でふんどし一丁で筋肉を鍛える一月に1回の集会があるらしいんだよ。ふんどし一丁だから女子は禁制らしい。」
なにそれ?なんなんだよそのカオスすぎる催し物は・・・そんなのただの発展場じゃねーか!!
女子禁制なのはきっとそんな理由じゃねーんだよ!!
本当になんてものをぶっこんできやがるんだ!!
「筋肉鍛えれるなら参加してもいいかなーって思ってたけど、お前はどうする?」
それで鍛えれる筋肉はきっと括約筋だけだからー!!!
もはや殺して(尊厳)でも奪い取られそう(菊一文字)な状況になってるじゃねーか!!!
待てよ?このまま放置するのはかなりまずい状況にならないか?
①ガラハドが、ドキッ☆男だらけのどしふん大会ズボリもあるよ☆彡にエントリーする。
↓
②もれなく怪人ホモゲルゲに魔改造される(主に黄門様を重点的に)
↓
③ホモに魔改造されたガラハドが身近にいる俺の菊一文字を狙い始める。
いーーーやーーーっ!!!
冗談じゃねーぞ!!
ここはなんとかガラハドをドキッ☆男だらけのどしふん大会ブスリもあるよ☆彡のエントリーを見送りさせるしかないね。
説得の材料・・・・・・・
とりあえず情報の収集が最重要!
困った時のステータス☆
名前 :ガラハド
年齢 :16
レア度 :アイアン ☆
職業 :フリージア王国剣兵
階級 :1等剣兵
役職 :第3師団剣兵連隊第6大隊第2中隊第3小隊2分隊所属前衛大盾担当
レベル :1
EXP :30/100
HP :388/388(+220)
MP :26/26
攻撃力 :129(+15)
防御力 :168(+100)
物理貫通:30(+30)
魔力 :19
素早さ :29(-10)
魔法防御:18
運 :15
スキル :挑発 1/10 初動1秒、30秒間敵の攻撃を引き付ける CT60秒
報復 1/10 初動20秒、披ダメージの50%分攻撃力が増加して敵に物理攻撃を行う CT40秒
集中防御 1/10 初動1秒、10秒間防御力が30上昇するが攻撃行動はできない(迎撃は可) CT30秒
魔法 :生活魔法 消費MP1
ストーンバレット 消費MP(MAX6)×魔力×1 CT20秒×消費MP
装備 :2式王国兵制式長剣 (攻撃力+15 物理貫通+30 防御力+5)
2式王国兵制式鎧 (HP+90 防御力+30 素早さ-5)
2式王国兵制式兜 (HP+30 防御力+20 素早さ-5)
2式王国兵制式グリーブ (HP+30 防御力+20 素早さ+5)
2式王国兵制式盾 (HP+70 防御力+25 素早さ-5)
備考 :脳筋
脳筋って・・・うん・・・知ってた。。。
っていうか今までのと比べて雑すぎじゃね?
参考になんねーよ!もっと頑張れよ備考さんっ!!
こうなったらこれまで培った前世の営業トークでなんとかするしかないね。
価値の無い物に、さも価値があるように話すのは敏腕営業マンの18
論点をずらして外す(頭竹大激怒的表現)・・・
すぐに話の流れを構築するのじゃーっっっ!!!(ここまで僅か0.002秒)
「ガラハドが今鍛えないといけないのは筋肉じゃなくて盾の技術だと思うよ。」(話題の転換)
「えっ?どういうこと?」
「ガラハドが使ってる2式大盾だけど、中央部分に山があって傾斜がついてるよね。それをうまく使って受け止めたら相手にスキができると思うんだよ。」(話の枕)
「そうなの???」
「そうそう、例えば相手が振りかぶって攻撃してきた時は盾の傾斜に沿って攻撃をいなすと使う力が少なくて済むし、いなしきった後は超近接距離になるよね。そこで剣を使っちゃうと相手に態勢を整える時間を与えちゃうから、いなしきった後はそのまま大盾でぶちかまし。そこで相手のスキが致命的になった後に剣で攻撃すればいいんじゃないかな?」(適当に話題を構築)
「そんなやり方があるの?今度練習してみるよ。」
「スキル打つとクールタイム発生するからこういった小手先の技術ってかなり重要だと思うよ?それから筋肉って仲良しこよしで鍛えるもんじゃない気がするんだよね。」(唐突な話題の振り戻し)
「えっ!?」
「仲良しこよしで鍛えた筋肉は所詮ファッション筋肉・・・筋肉を鍛えるのっていわゆる自分との戦いだからね。孤独な戦い打ち勝って鍛えた筋肉は言わば本物の筋金。土壇場で役に立つ筋肉はそんな筋肉じゃないかな?ファッション筋肉じゃ無理そう。」(ここで相手の趣味に合わせて説得をぶっこむ!)
「そうかな?」
「そうだよ。(同調圧力)それに孤独に打ち勝って鍛えた筋肉ってなんだかストイックでかっこいいじゃん?」(ダメ押し)
「そうかー。俺も筋肉は孤独に鍛えることにしようかな?」
「それに明日はゴブリン戦で出撃あるから、なんにしても今回は見送った方がいいと思うよ?」(もしもの時の保険)
「そういえばそうだったね。」
勝った!!!計画通り・・・ガラハドが脳筋バカで助かったよ。。。
「二人とも筋肉の話がディープすぎてなんかキモイ。」
「ははっ、ごめんね。そういえばタミコちゃん、その集会は女子禁制だからバレずに覗きに行く為に魔道具屋に寄って隠密系の魔道具見に行くって言ってたね。そんなに男のふんどし姿が見たいのかな?」
「マジか・・・」
「タミコちゃん・・・」
タミコ・・・お前こそが間違いなく勇者だよ!!!
ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○
これでストック切れたから更新期間が延びます。
それにしてもプロローグのみで5万字超・・・まだ1日目が終わってないんですよねぇ。。。
更新のモチベに繋がりますのでもしよろしければ評価お願いします!!
モブ剣兵は死にたくない~TS巨根中二童貞(おっさん風味)と貧乳処女モンスタービッチ(耳年増)のドタバタコメディ~ @furyuya
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