第19話 どストライクエンゲージ

「ちょっとレックスーーー迎えにきたわよーーー。」


ドアの外からカティアちゃんの声がする。


「今行くよーー。」


そう言って医務室を後にする。



「ガラハドは先に行って席取っとくって。」


「ふーん。じゃあ早速行こうか。」



一緒に食堂へ向かう道すがらカティアちゃんが怪訝そうな顔をしてこちらを見た。



「あんた、ちょっと見ない間になんかすごくやつれてない?」


「そう?まあ、濃いさで言うと濃い口醤油のような出来事が重なったけど逆に元気になったよ?」(HP的に)


「・・・あんた、医務室なのにそんなにたくさんシコったの?」


「そんな事してないよ!?」(トラストミー)


「そういえば薬品の匂いに性的興奮を覚える人も一定数いるってタミコちゃんも言ってたし・・・」


「何!?そのニッチな性癖!?」





そんな事を話しながら歩いてると、食堂にはすぐに辿り着いた。

少し探すと同期のガラハドが席を取ってくれていた。

どうやら食事はまだ取りにいってないみたいだね。


手を上げてガラハドがこちらに気がついて手を振り返したのを見てからカティアちゃんと一緒に配膳の列に並ぶ。

今日は外に食べに言ってる人も多いのか、そんなに待たなくて済みそうだ。

そうこう思ってると自分達の順番になった。


「あら、レックス君、カティアちゃん、訓練お疲れ様。」


「ミリアムさんもお疲れ様です。」


「ミリアムママお疲れ~、ん?なんかすごくいい匂いがする。ミリアムママ、今日のお夕飯はなぁに?」


配膳してくれてるのはこの食堂を取り仕切ってるミリアムさん。

若い頃に兵士をしていてガルシア中隊長の先輩に当たる方と結婚をして退役してたけど、バラン帝国との小競り合いで当時小隊長だった旦那さんが殉職。


8年前に補給兵として現場復帰した経歴の持ち主だ。

ちなみにレムちゃんっていう10歳の女の子がいて、たまに食堂を手伝ってくれてる。


それにしても今までミリアムさん見てもただの食堂の女将さんって感じで全然気にならなかったけど、前世の記憶思い出してから改めて見ると・・・かなりフェロモンむんむんですな。


Q:何故こんな重要なことに気が付かなかったのか?

A:坊やだったからさ QED


いかんいかん・・・未亡人にこんな邪な想いを抱いちゃいかんでしょ。(戒め)


「今日は第一中隊が狩ってきたボアがあるから、それを使ったお肉たっぷりボアシチューよ。パンはそこに置いてあるから自分で取ってね。」


なんだろう?・・・なんか・・・なんかすごくいい・・・

なぜか最近とんと反応しなかったリピドーの高まりを感じちゃいそう。

ははっ、いかんな~、いかんぞ~・・・

ここはいつも通りステータス確認で気を紛らわすか。。。


いざ・・・どストライクエンゲージ発動!!

目標、目前のエロめフェロモン未亡人!!!

とりあえずステータス☆彡


名前  :ミリアム

年齢  :28

レア度 :アゲート ☆☆☆

職業  :フリージア王国補給兵

階級  :補給兵少尉

役職  :第3師団補給連隊補第二輜重兵大隊第2中隊第3小隊長

レベル :1

EXP :0/100

HP  :263/263(+30)

MP  :116/116

攻撃力 :106(+5)

防御力 :77(+20)

物理貫通:42(+20)

魔力  :64

素早さ :93(+30)

魔法防御:32

運   :8

スキル :中級料理        中級の料理が作れる

     スピードクッキング   調理スピード1.5倍

     スパイス調合      スパイスを調合できる

     会計士         帳簿を作成できる

     スマイル        0ゴールド     

魔法  :生活魔法        消費MP1

     アクアショット     消費MP(MAX6)×魔力×1 CT20秒×消費MP

装備  :1式王国工兵制式包丁  (攻撃力+5 物理貫通+20 調理スピード1.2倍)

     1式王国兵制式割烹着  (HP+20 防御力+10 調理スピード1.2倍)

     1式王国兵制式三角巾  (HP+5 防御力+5 素早さ+15)

     1式王国兵制式ブーツ  (HP+5 防御力+5 素早さ+15)

備考  :溢れ出る母性

     憂いの有る未亡人


憂いの有る未亡人!?・王国指定の割烹着!?・・・それに加えて溢れ出る母性!!?・・・何!?この昭和枯れ薄的な豪華お正月3点セット!?

こんなん確実に惚れてまうやろ~~~~つ!!!(どストライーーーク!)


それにしても何という・・・何という圧倒的母性なのか。

それに加えてまるで聖母のような微笑み。

その胸に搔き抱かれて心の底から安心しながら眠りパイ。。。

・・・バブ・・・オギャ・・・


「ガラハドの分も持っていくんで大盛り2でお願いします!マム!」


「ミリアムママ、私は普通盛りね。」


「大盛り2と普通盛り1ね。注いで来るからちょっと待っててね。」


ミリアムさんはそう言い残すと後ろにある厨房に向かって歩いて行った。


うむ。。。後ろ姿もフェロモンむんむんですな。

歩を進めるのに連動して上下にリズムをとる張りを残しながら少し下がった尻肉。

もっちもっちしたまるで桃大福を連想させるような理想的な安産型。

言うなれば程よく下品。


嗚呼、けしからん!!けしからんですよ!これは!!!

さらに打てば轟き響くような非常に無礼な尻。

これは間違いなく無礼!!圧倒的無礼!!!(スットライクツー!!!)


「はい。お待ちどう様。レックス君はガラハド君のも一緒に持って行ってね。」


「ありがとうございます、マム。すごくうまそうですね!」


「ミリアムママありがと~~~。」


配膳を受け取りながらミリアムさんの方をよく見るとミリアムさんの胸の・・・っていうか乳首地区あたりに頑固そうな油染み発見!?


フフフ・・・これは妄想も捗りますね。

本当にありがとうございます!!!

うーん・・・猥褻!!


それにしても・・・何がとは言わないが改めて見ると・・・でかぁぁぁぁい!!!

説明不要!!!

目標物計測結果・・・推定H!!!



山・・・それは全てを包み込む大地あるいは母性の象徴。

山・・・それは冒険心を心に宿す兵共の見果て得ぬ夢。

漢・・・それは山頂を目指す永遠の旅人。

双耳峰・連峰・独立峰・・・・砂山・・・

山に貴賎なし。。。

ただ山はやはり・・・・・・・・・大きければ大きいほどいい!!!(断言)



間違いない。。。お前は確実に山の民!!お前自身が富士山だ!!!(スットライクスリーーーッ!!バッターアウトォォ!!!)

これで自己主張の大きいデカ乳輪で恥ずかしがり屋で慎ましやかな陥没乳首だったらパーフェクトですな、ウォルター。


未亡人のミリアムさんの事を考えると非常に・・・非っ常ーに申し訳ないがおかずの絶望的枯渇もまた事実。

もはや背に腹は代えられない。

ここはおかずの収穫の為にもしっかり目に焼き付けねば。。。


さて、今までの人生経験上こんな場合はチラ見は実は逆効果。

ここはマンモス顔にしたままガン見が吉と出た。

今まで培ってきた映像記憶能力と妄想補完技術(Ver.デカ乳輪・陥没乳首)・・・とうとう本格的に発揮する時が来たようだね!


じぃ~~~~~~~~~~~~っ


「ちょっとレックス!!!あんたいつまでもどこ見てるのよ!!!」


「あらあら~。レックス君は意外とおマセさんね。」


隣を見るとカティアちゃんがジト目をしながら抗議してきてる。

ちなみに少し目線を下げると、


オッパイ♪ツルリン♪すっトントン♪♪


うむ。。。この状況だとやはり平原の民が何か言ってくるね。

こういう場面で山を見上げてるときに平原の民が文句を言ってくるのはもはや世界の様式美。

残念ながらそれに対抗する策、すなわち護身は俺の中ですでに完成してるのだよ。

今日の俺に隙は無い!!!


「いやっ!?そんなんじゃなくて!?ミリアムさん、ホラ胸のとこ、染みになっちゃってますよ?」


「あらやだほんと?」


「どうも油染みみたいですね。普通に洗濯するだけでは落としにくいから、別の濡れた布を上から当てて叩き洗いするとその手の油染みは落としやすいと思いますよ。」


「あら?そうなのね?今度試してみるわ。それにしてもレックス君は洗濯に詳しいのね?」


「俺、洗濯結構好きなんで。」


「あんた・・・いつの間にそんな趣味持ったの?」


染みが気になる風を装ってからのさらなるガン見で追撃!再攻撃!!追加攻撃!!!(combo達成!)

計画通り・・・

どうやらしっかり記憶に残しつつ普通に誤魔化す事も出来たようだね。

これであと10年は戦える!!!


ちなみにこの出来事がきっかけで洗濯屋レックスという二つ名が付く事を、この時の俺はまだ知る由も無かった。




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