異世界転生したけど種族が人間ではなく吸血鬼になってるんですけど！？

第20話じゃあ、会ってみる？

　まさかゴブリンのアレのせいで三人ともハッスルハッスルハッスルする事になるとはな。ゴブリンのアレにあんな効能が合ったとは神様でも思わないよな？

「「思うわよっ！！」」

「…回想シーンに入っている時に心を読まないでくれる、２人とも」

「ああ〜〜〜もう！レインのせいで私はどんどん淫らになっていってる気がするわ…」

「ぐぬっ…すまない、アイシス…迷惑掛ける」

「…今度からこっちの世界の食材を使う時は必ず聞いてよね？」

「はい」

「私もレイン君のせいで…」

「いや、ミーシャさんはエロフでしょ？」

「んなっ！？違うからっ！？私、そんなにエッチなエルフじゃないもん！元々クールビューティーで通ってたし、密かに私のファンクラブだってあるんだからね！？」

「いやいや…それは嘘ですよね？」

「レイン君！！」

　いや、だって…なぁ？ミーシャさんはエロフの中のエロフだろうよ？クールビューティーでもなかったよな？いや、最初はそうだったんだっけ？まあ、大差ないし、それはどうでもいいとして…

「どうでもよくないわっ！！」

「ミーシャさんのファンクラブなんてあるの？俺はそれに一番ビックリしてるんだけど…」

　その部分は俺に同調するかの様にアイシスも言った。

「えっ…そんなのあるの？」

「んなっ！？アイシス迄！？ふ、２人とも失礼なんだけどっ！？」

「ミーシャさん…本当の事を話した方が良いですよ？」

「あ、あるったらあるんだからっ！」

「じゃあ…それが嘘だったら…今日の夕飯とデザートは無しという事で…」

「私が悪ぅございました。ファンクラブなんて真っ赤な嘘にございます…どうか夕飯とデザートを没収する事はご勘弁下さいませ…悔しくて話を盛っただけなんだすぅ〜〜〜」

「まあ、ミーシャさんの事は放っておいて」

「放っとかないでっ！？」

　さて…ミーシャさんをからかうのはこれ位にしておいて…

「えっと…ここからは真面目な話なんだけど…俺も戦える様にしておきたいんだよね」

「……それは…レインは私が守るし…気は進まないけど…同化もあるでしょ？」

「正直…それ以外は足手まといだろ？」

　血を使ったスキルばかりだからその後は必ず吸血ってコスト悪いし…。

「…そうだけど」

「う〜ん。そうね。そうだ！じゃあ…会ってみる？」

「誰に？」

「うちのギルドマスターに」

「嗚呼…確かにカレンさんなら…色々と教えてくれるかも知れないわね」

　そういえばミーシャさんがキングゴブリン戦でギルドマスターならあるいはとか言ってたっけ…。

「…会ってみたい」

「任せて！」

　俺はまたああいう風に敵が襲って来た時の為に教えを乞うことにしたんだ。

「その代わり…デザートは宜しくね？」

　そのセリフは聞きたくなかったな。せっかくミーシャさんを敬いそうだったのに…。

「また太り…」

「レイン？」

「レイン君？」

　太りますよ？と、言おうとしたんだが…女性の前で体重の話は禁句だったな…。デリカシーがない発言だったと反省。

「今の発言に私は傷ついたのでデザートをこの場で所望します」

　ただ食べたいだけだろう？とは流石に言えない。でもダイエットはいいのだろうか？結構運動したから大丈夫なのか？まあ、俺に出来る事といえば…

「是が非でも準備させて頂きます」

　この返答だけだろう…。悲しいな…男っていうのは…。

　さて…何を取り寄せるか…。出掛ける前に作るのもアレだし…お菓子でも取り寄せるか。１個位なら血の代価で取り寄せても問題ないしな…。

「スキル【血の代価】発動！」

「「ちょっと、レイン（君）！？」」

　２人はスキルを発動させると思っていなかったんだろう。大丈夫だって！取り寄せたのは一つだから…………そ、それにしてはだいぶ血が減った感触が…。

　うっ…

「「またっ！？」」

♢

「ふ、２人とも…ほらっ、た、食べてくれ」

「…私が４つもらうからね？」

「ズルいよ、アイシス！ここは半々で…」

「私をレインの生贄にしたミーシャに発言権はないから」

「あ、はい」

　生贄って…まあ、に、似たようなものか…。

「レイン、早く」

「ど、どうぞ」

　俺はシル◯ーヌをアイシスへと差し出す。そうなのだ。何故かシル◯ーヌを一箱召喚しただけで血を大量に消費。そしてアイシスから（ミーシャさんに突き飛ばされたともいう）血をもらう羽目になり、先程までアイシスはハッスルしていた。

「レイン？ハッスルは止めて」

「…あ、はい。ど、どうぞお納めください、地球のお菓子…シ◯ベーヌでございます」

「苦しくないわ」

　アイシスはそれを一口。本当に美味しそうに食べる。俺も大好きなお菓子だった。ファミリーパックにはついてないけど、箱の方には付いている豆の部分がまた美味しいんだよな、アレ。

　ミーシャさんは足りなかったみたいでアイシスをそれはもう…羨ましそうによだれを垂らしながら見ていたのだった。

「んんっ〜〜〜♪美味しっ♡」

　まあ、当然の事ながら…そのせいもあってギルドマスターに会うのは翌日になった事は言うまでもないだろう…。

　本当にすまない、アイシス…。