第38話最終話ハナの想いを背負ってボイジャーは独り・・・・
「君の想いを背負ってボイジャーは独り旅立ったのだね?」
ハナの両頬に手をやり冷たい顔を温めていた。
「彼はもう動かないが、ハナの意思は受け継いでいる。」
黙って頷いたハナはホイットマンを抱擁して、「もう地上へ上がろうか?」
ホイットマンの耳に囁き、2人は手を取り合って熱水噴出口からUFOに乗って海上まで一気に上昇していた。
もう地底人が地球を統治してから20年に為る。
その時の地球は、海面が北極海の様だったが、大気は澄みきり、サンセットの夕陽が紅く大きく揺るぎ無い平和のレッドサンが低く水平線に沈もうとしていた。
が、「でもホイットマン?」
彼の左肩に手を遣り、「この季節は白夜なのよね?」
陽が沈みかけては水平線スレスレの空間をキープする健康的な太陽が君臨していて、これが幸せな時代の日常だった。
「息が白いわ・・・懐かしい・・・。」
ムフフと、小悪魔的なハナの笑みは、凍っていたホイットマンの胸中に熱を加え仄かに暖かい胸へとアセンションさせていた。
ボイジャースイングバイ しおとれもん @siotoremmon
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