第3話
四月下旬僕たち一年生は、練習に参加するようになった。
初めての練習何をするのかなと思いながらも、授業が一日終わり、ついに部活の時間になった。まだ、机の片づけをしながら帰る準備をしている僕の元に、本庄君が後ろから話しかけてきた。そうだ、本庄君とは同じクラスだった。「辰巳君、一緒に部室まで行かん?」と、話しかけられた。「いいよー、初めてだしね部室まで行くの。どんな雰囲気なんだろ、マッチョの先輩たちが闊歩してたりして、、、」と少し驚きながら、返事をした。そして、準備が終わったので、本庄君と玄関を出て、部室棟まで移動した。まだ、足取りは軽い。
そして、いよいよ部室棟についた。想像したマッチョな先輩たちはぼちぼちいるものの、部活によって体つきが違うので見ていていて面白い。しばらく辺りを見渡していると、見慣れた顔が目に入った。鈴木先輩だ。「どこで着替えたりするかわかんないし、一旦先輩のとこ行こう。」と、僕とおなじく辺りをキョロキョロしている本庄君に話しかけた。「そうだね、いこっか。」
「鈴木先輩こんにちは!どこで着替えたりしたらいいんですか?」と僕は鈴木先輩の元へ行って聞く。「こんちわ、えっと辰巳君だっけ中長距離は、陸上部部室の前でちゃちゃっと着替えちゃって。俺たちは、部室にある道具とか使わずに基本的に学校を出て走ることが多いからから、あんまり部室とかつかわないんだよね。だから、案外陸上部ってひとくくりにされてるけど、短距離との接点は少ないんだよね。」と鈴木先輩は言う。「あ、あと陸上部は伝統か何かわかんけど、あんま上下関係ぎちぎちじゃないから先輩とか無理して言わなくてもいいよ、こっちも身がまえちゃうしね。」
「わかりました。」そう僕は言って、僕たちはいったん着替えに行こうとすると「あともう一つ、着替えたら校門集合ね。」という言葉が後ろから聞こえた。それに返事をしながら僕たちは着替え始めた。
「鈴木先輩も優しそうで、上下関係もゆるそうで、部活の雰囲気悪くなくてよかったね。」などと話しながら本庄君と着替えてると、人ごみのおくできょろきょろしている、数分前の僕たちを俯瞰したかのような男の子がいるのが分かった。そう、笹田君だ。「おーい、笹田ーこっちこっちーー」と本庄君も気づいたようで、笹田君を呼ぶ。「へー外で着替えるんだ」などと笹田君が言うので、僕たちはさっきの話を繰り返した。
「よし、みんな着替えたし、校門へいこっか」と僕は言い、三人で移動をする。校門につくと、鈴木先輩のほかに、あと男子が二人、女子が一人いた。身長が僕たちよりも高いのでたぶん先輩だろう。僕たちは挨拶をすると、鈴木先輩が「みんな、集まったし、練習始めるか。今日の練習は、親睦も兼ねてLSDでみんなで話ながらいきますか。」と言って、体操を始めた。そして、僕はLSDとはなんぞやと考えながら二人のやってる体操をまねしながら体操をしたところで、出発した。
「じゃあ、よーいはい。」といって、LSDというのが始まった。僕はさっそく、三人の総意を代表して「いきなりなんですけど、LSDってなんですか?」と聞いた。すると、意外にも二年生の身長が高い方の人が答えてくれた。「
「そうなんですね。小学校の時の短い距離をぱっと行く練習に慣れていたので、新鮮です。」と僕は言って、信号機に引っかかったので、少し後ろにいる同級生組のもとまで下がる。
「俺らのクラブもこんな練習なかったよなー笹田。」
「確かに、しゃべれるペースで行くの何気に珍しいかも。今までは、さっさ走って終わらせて、しゃべろうとしてたしね...」と二人が話して、
「本庄君...本庄たちのクラブ、レベル高いイメージだったけど案外僕たちと同じような練習してて、驚き。」と僕が話すと、信号が変わった。
そしてそのあともだらだらしゃべりながら距離を踏んで初めての練習は終わった。
「よしーーおつかれーー、今日はこれで終わりー。一年生たちみんなちゃんと一時間ついてきていてすごいね。じゃあ、みんなケガしないようにストレッチして今日は終わり!」と太玖さんは言った。正直、僕は45分くらいで遅いペースとは言えども、しゃべれなくなるくらいには、本気だったんだけど、あの二人は最後らへんは同じくしゃべらなかったけど、僕よりかは余裕がありそうで、スタートラインの違いを感じた。それでも、中学校がんばるぞ。そう僕は思って、初めての練習は終わった。
僕走る 維野 @Yukino_san
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