異能バトルの閑話休題を、私と少しだけドラマチックに

人類の能力を超越した、人智を超えた力を持つ者たち――異能力者。
彼らは平和な現代社会の裏で、その存在自体を隠しつつも、ある時には人類を守り、またある時には人類を滅ぼすために、様々な力を用いて争っていた。

……しかし、そんな彼らでも恐怖する、そんな存在がただ一人居る。
その者の名は、｜冤枉《えんおう》――千年前から記録が存在する、不老不死の少女である。

曰く、その不死性は異能ではない。
曰く、人類を一夜にして滅ぼすほどの力を持つ。
曰く、人の不幸を眺めることを至上の喜びとする。
曰く、異能を持つ者の血肉を食事としている――など。彼女の噂は枚挙にいとまがない。

……しかし、実際の彼女は――冤枉と呼ばれ、異能力者に恐れられるその少女は、不老で不死で大の甘党なだけの、旅が大好きな少女だった！？…続きを読む