第六章 出発

 カニスの場所を知っていると思って、上吉さんに聞いてみた。

「上吉さーーん」

「どうしたんじゃ?」

「カニスって街知ってる?」

「知っとるぞい。」

「場所わかる?」

「…知らん。」

「…え?」

「町の名前は聞いたことがあるが場所はしらん。…しかし比奈斗達が向かった方向の村に聞けばわかると思うぞい。」

「ありがとう!上吉さん!」


 上吉さんから情報を聞いた後、比奈斗に伝えるため2階に上がった。

「比奈斗ー」

「どうしたの?」

「僕たちが行った方向にカニスがあるらしいよー」

「わかった。今日は寝て明日出発しよう!」

「了解!なら帰るね。」

「…は?」

「僕は一旦帰って明日また来るね!」

「あ、ああわかった。」

 そう伝えて、僕は家に帰った。



 翌日。比奈斗の家に行くと、見知らぬ女性が上吉さんと一緒に話していた。とりあえず、比奈斗に聞いてみようと思い二階に上がった。

「比奈斗ー。一階にいる人って誰?」

「あぁーっ。照馬に話してなかったっけ?」

「?」

「今日は僕のお母さんが帰ってくる日だったんだよ。」

「へー。なんでそんなに帰ってこないの?」

「仕事先が遠いから休みが取れた日しか帰ってこれないんだよ。」

「そうなんだ。」

「まぁそんなに気にしなくてもいいよ。とりあえず行こうよ。」

「そうだね。」

 僕たちは準備をして一階へ行った。そして上吉さん達に挨拶をして出発した。


 「とりあえずここから一番近い『ラジング』って街へ行こう!」

「雷が沢山落ちてきそうな名前だね。」

「そうだよ。その街は落雷が多いんだ。」

 どうやら比奈斗は先に調べていたらしい。

「今回はどうやっていくの?」

 前回の自転車は壊れてしまった。すると比奈斗は庭から何かを取り出してきた。

「こいつで行こう!」

と言って馬らしき生物を連れてきた。

「これは・・・馬?」

「馬の仲間だよ!名前は『マキシイ』だよ!ここら辺に生息する生き物だよ。」

 どうやらこれに乗って出発するようだ。僕たちは一匹のマキシイに乗って出発した。比奈斗の家を出て2分ぐらい立つと地面から骸骨が出てきて襲ってきた。骸骨の魔物スルナトだ。

「出てきたよ比奈斗!」

「そうだね。」

と言って、魔法を繰り出した。

「ロック!」

 比奈斗が唱えると。スルナトがいる地面から急に大きな岩ができた。その衝撃でスルナトが吹き飛んでいった。

「これで一旦は大丈夫だよ。」

 土魔法は想像より強いことに少しビックリした。

「土魔法って結構強力なんだね。」

「そうそう。基本的には岩とかを作るのに特化しているけどその衝撃を利用して攻撃することもできるんだよ。」

「それならほかの使い道も多いの?」

「もっと上達したら壁を作れたり、岩を敵に刺す技とかできるらしいよ。」

「岩を・・・刺す・・・⁉」

 僕は土魔法は強いけど物騒な技多い属性ということを知った。そんなことを話していると空が急に暗くなった。

「急に夜になった!?」

「少し違う。」

 比奈斗が言うと、雷が周りに降ってきた。そこから電気を纏ったスライムが出てきた。

「これが、ラジングのモンスター『スライジン』だ。」

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World end project 〜なぜポテチにこだわり続けるかという問いかけへの回答〜 テレシー @teresi-

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