ベタのツリガネムシ病治療まとめです

縦縞ヨリ

ツリガネムシにかかったベタの治療をしていました

 2015年頃に書いたの記事の転載です。

 旧Twitterに載せていましたが、結構前にアカウント自体を消してしまったので、こちらに置いておきます。

 誰か必要な方に届けば幸いです。

 また、この子は完治後半年程で、恐らくは寿命で亡くなりました。

 多くの有識者の方に支えていただいた幸せな子でした。

 お世話になった皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。


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 ベタのツリガネムシ治療まとめです。

 症状で検索してもなかなか病名にたどり着かず、治療に時間がかかってしまったためにまとめる事にしました。

 引用、抜粋、リンクなどご自由に。意味が変わってしまう改変はご遠慮ください。


 発症時の状況→

 購入直後。17ℓキューブ(吸着濾過)。残暑の高気温で水温が34度まで上昇。水槽用クーラーが届くまで、2日程度続いた。その数日後からヒレに違和感を感じ始めた。


 症状 →

 初期・

 手ヒレの右側にのみ、ごく微細なプツプツができる。少ししてから左側にもプツプツ。ヒレ縁の下方が白く濁り、角を失う様に丸く溶ける。

 プツプツはよく見るとゼリー状にも見え、白濁色~半透明。日に日に増える。

 右のヒレは一度、真ん中から二つに裂けてしまった。ヒレを壁に擦り付ける様に泳ぐ。

 中期・

 腹のヒレにコロニーを伴うヒレ溶け。コロニーはごく小さく、クラウンテール特有の細いヒレのうち一本をみるみる溶かした。

 また、主に腹のヒレ(ごく希に背ヒレ)に、日毎ピンホールが開く。ピンホールは日によって微細な白いコロニーを伴う。一日程度で塞がるが、また場所を変えてできる。

 後期・

 腹のヒレを主に、背ビレ、尾ビレに日毎ピンホールができる。頭の鱗、顔の下のネクタイのようなヒレに0.5ミリほどの白いコロニー。背ビレをたたみ、水面近くを力無く泳ぐ。


 治療内容→

 全期間通して0.5%塩浴。また、初期は毎日1/3換水。中期から本水槽復帰まではほぼ毎日全換水。

 時系列順に羅列するが、薬を変える際には体調を見つつ5日〜14日程度の休薬期間を置いている。投薬期間は永久浴でも5日〜7日程度。それを超える場合は2、3日休ませて投薬。かかった治療期間は3ヶ月程度+塩浴を薄めるのに40日程度。換水をしていたため、餌はやっていた。


(①推測・カラムナリス)

 メチレンブルー(一度目)⇒プツプツには効果なし。(ヒレ裂け、白濁はメチレンブルー使用後発症)メチレンブルー関しては当時「弱い薬」という認識だった為、3日程度しか使用していない。


 グリーンFゴールドリキッド⇒初期、症状の軽かった左のプツプツはこれで消えたが、右のプツプツはほぼ変化無し。


 イソジン浴⇒効果無し


 患部に綿棒でイソジン塗布⇒プツプツが染まるがそれ以上の変化は無し。ベタが酷く衰弱したので二度とやりたくない。


(②推測・ダクチロギルス・ギロダクチロギルス)

 トレマゾル⇒コロニーを伴うヒレ溶け、ピンホールは一度解消したが、数日経つとまた発症する。使用法を守りつつ数度試したがイタチごっこに終わる。薬浴期間を延ばして使用している情報をよく目にするので試してみたら、呼吸困難でベタを殺しかけた。当たり前だが使用法厳守。


 エルバージュ⇒使用後悪化


 リフィッシュ⇒使用後悪化


(③推測・ツリガネムシ病)

 メチレンブルー薬浴(6日投薬、3日休薬、6日薬浴)及びコロニーへのメチレンブルー塗布⇒完治。


 考察⇒

 未だこれがツリガネムシ病であったという確信が無いが、ベタにおけるツリガネムシの代表的な症状(水カビに似た米粒大のコロニー)が出なかった故に、治療が後手後手に回った。一番最初に打ったメチレンブルーをもう少し長く続けていれば、ここまでで悪化させなかったと思うと残念でならない。

 また、ヒレ裂け、白濁に関してはカラムナリスを併発していたのでは無いかと思う。

 良かったのは毎日の塩浴と全換水。とにかく綺麗な水を保つ事が有効とのことで、半端な水替えをしていたら今頃生きていたかわからない。


 経過観察⇒

 ツリガネムシの要因はバクテリアの異常繁殖とのことなので、今現在は治療中に立ち上げてあった45cm水槽(仕様・ソイル、濾過器、水草、ライト、ヒーター)で、パイロットシュリンプのミナミヌマエビと共に生活している。再発の兆候は今の所無い。


 備考⇒

 ①最後までヒレのプツプツは無くならなかったが、治療途中(明確なタイミングは不明)からゼリーのような質感が薄れ、体表に近い色に変色。べたっとしたマットな質感に変わった。コロニーとピンホールの方が気がかりだったので、ヒレのプツプツに関してはそれで良しとした。当初は透明なヒレだったが、今現在はブルーの斑色になっている。

 ヒレ縁の白濁もいつの間にか無くなっていた。


 ②一度ヒーター裏に入り込んで出られなくなり、ストレスで尻尾の大半を失う事故を起こした。今現在はほぼ再生している。


 ③トレマゾルの過剰投与で衰弱した際、呼吸しやすい様に、底上げの意味で水槽の中にプラスチックのカゴを入れてみたら、何故かピンホールの発生率が大幅に減った。後期(エルバージュ使用後)には焼け石に水だったが、体力回復の為の休薬期間には役立った。


 ④ヒーターにはカバーをつけているのだが、クラウンテールの細いヒレ先が隙間から入ってしまい、時折小さな火傷をする事があった。台所の三角コーナーにつけるネット(ストッキングタイプという目の細かいもの)をヒーターに被せたら火傷をしなくなった。結束バンドで固定している。


 ⑤一度白い塊を吐いた事がある。恐らくはその少し前に齧った尻尾。尻尾を齧ったのも吐いたのも一度だけだったが、非常に動揺した。


 ⑥このベタは夏の終わりに、熱帯魚コーナーの無い小さなホームセンターで、夏休みの自由研究用として叩き売りになっていた個体である。それ故コンディションは良くなかったが、同時期に入荷した個体があるいは売れ、あるいは売場で死んでゆく中、小さな瓶の中で生き残った強い個体とも言えると思う。長い治療の中で良く頑張ってくれた。



 最後に。

 小さな命ですが、たくさんの皆様のあたたかいご支援で何とか生き長らえる事ができました。

 本当にどうもありがとうございました。

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ベタのツリガネムシ病治療まとめです 縦縞ヨリ @sayoritatejima

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