第215節 猛VS北玄2 (共闘討伐編70)

そして、都庁から3キロ程に近づいた時ついに猛が息を切らし始めた。

「流石に息が切れ始めたな。」

「そういうアンタも結構な出血とダメージじゃないか。」

「ああ。だが命を賭けた戦いはやはりこれくらい切羽詰まって実力が近しい者同士じゃないとつまらんからな。」

「それは俺も同じだが生憎今回はこの戦いを楽しむ訳にはいかないのだ。」

「それは残念だ。要らん話だったな。さあ、戦いを再開しようか。」

「ああ、そうだな。」

そして、戦いを再開する前に2人は戦いの中でボロボロになった鎧をエネルギーで再構成し、身に纒い直した。

「再装亀〈さいそうき〉。」

 北玄は猛との戦いの中でボロボロになった亀鎧を自身が纏っているエネルギーを使って同じ形状で再構成し、鎧を纏い直した。

そして、猛も北玄との戦いの中少しずつ押され劣勢であったが、ダメージは北玄よりはすこし軽く済んでいたが北玄と同様に鎧がボロボロになったことにより、再構成するのだが、北玄と違い、鎧の厚さを少し薄くし、その代わり両腕にエネルギーを集めた。

 加えて、猛は体を少し前傾にして構えた。

「…なんだその妙な姿は?」

「…ああ、これか。これは俺が誰にも分からないよう、密かに鍛錬して手にした新しい姿。名付けて、大猩猩形態〈コングスタイル〉。」

「…成程。まだ、楽しめるようだな。」

「…どれほどの長期戦になろうと、俺は俺の力だけでお前を倒す!」

 「じゃあ、やろうか。」

2人はまた、数メートルの間を開けて、力強く地面を蹴り、互いの顔面を狙ってパンチを繰り出し、一瞬早く猛のパンチが北玄の左頬に直撃した。

 北玄はパンチを喰らい骨折と大量の吐血と同時に思い切り後方へ吹き飛んだ。

「(…なんだ?エネルギーは変わっていない。にも関わらず、一瞬のうちに間合を詰め、この俺が殴り飛ばされるとは…。)」

  等と北玄が考えている間に再び猛は距離を全速力で詰めるのと同時に右拳にエネルギーを貯めている。

 そして、北玄との距離がパンチの届く間合になり、そこから更に溜めてから今度は北玄の腹部に目一杯のパンチを繰り出した。

 「…‼︎」

北玄は咄嗟に危険を感じて避けようとしたが間に合わず腹部に猛のパンチを喰い、当たった腹部からの出血は勿論、内からも大量に出血し、北玄の体はくの字に折れ、最初の余裕は消え、只々非常に苦しんでいる。

「大猩猩衝撃〈コングインパクト〉。」と、猛はパンチを北玄の腹部に当て、苦しんでいる中後小さく呟いた。

 少しして…北玄は苦しみながらも必死に倒れないように気を張っている。

「き、貴様、何を…した?」

「…答える訳ないだろ?テメェで考えろ。」

「…っくそ。」

「…これで終わりだ。」

と、言って猛は両腕にエネルギーを溜めながら苦しんでいる北玄との距離を少しずつ詰めて行った。

 そして、北玄の目の前に着いた。

この時、やっと顔も含めて表面の出血は止まった。

「…この国を侵そうとしたことを後悔するが良い。」

「…ま、待ってくれ。分かった、この国から今回は手を退こう。」

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2024年10月18日 00:00 毎日 00:00

芯覚者-神と呼ばれた男- カンタ @180110

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