夢を与える存在を夢見たんだ

バルバルさん

だから、俺は夢を与える存在を夢見たんだ

 子供は夢を見る。大人も夢を持つ。男も、女も、誰しも人は夢を持つ。

 なんで夢を持つのだろう。人は何かに憧れる生き物だからだ。

 なんで人は何かに憧れるのだろう。

 子供は、人を助けたい。色んな人を幸せにしたいと思うから。

 大人は、何かを得て、自分や、家族を幸せにしたいから。

 大小はあれど、夢を持つのは、自分を含めた誰かを幸せにしたいから。

 幸せを願う心が、夢を見させる。夢を持たせる。

 それは、きっと素敵なことなのだと、俺は思う。


 夢は変わるものだ。夢は消えるものだ。夢は叶わないものだ。

 なんで夢は変わるのだろう。それは現実が変えてくるから。

 なんで夢は消えるのだろう。それは、現実が消しに来るから。

 なんで夢は叶わないんだろう。それは、現実が邪魔をするから。

 おかしな話だ。俺たちは、現実に生きているのに、現実の中で抱いた夢を、現実が邪魔するなんて。

 幸せを願うことを、生きる世界の現実が邪魔をするなんて、本当におかしいと、俺は思う。


 人というのは、夢に憧れる。でも、同時にその憧れは、いつか変わり、消えるものだとも思っている。

 なら、夢はどうやって叶えればいいのだろう。

 夢を叶えて、その先どう生きればいいのだろう。

 きっと人生は、その答えを探す物語なんだ。

 夢を持つ人にとっての人生は、夢を叶える物語。

 夢を持たない人にとっての人生は、夢を探す物語。

 夢が消えた人にとっての人生は、夢をもう一度見るための物語。

 結末が、バッドエンドになるか、ハッピーエンドになるか。そんなのは、最後のページを開かないとわからない。そんな先読み不可能な物語。

 それは、きっとワクワクする事だと、俺は思う。

 ワクワクして、少し不安で、ページをめくるのをやめられない。それが、人生。


 夢を見るには、先にその夢を見た人がいないといけない。

 先に夢を見た人の、夢を叶えた物語のラストは。きっと、夢を受け継いだ人が登場する。

 その人は、子供だろうか。大人だろうか。

 一つ言えるのは、夢を与えられる人は、素晴らしいという事。

 だって、夢をかなえた人は、夢をまだ持たないまっさらな人の物語を、形作るという事なのだから。

 その夢の背を追って、人は、新しく夢を見るのだから。


 だから、俺は夢を与える存在を夢見たんだ。

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