第3話 ゲーム初めて作っちゃった♪
チンッ
ぬりぬりぬり…はむっ
私はトースターで焼いたパンに雑にジャムを塗ると頬張った。
部屋には淹れたての芳醇なコーヒーの香りが漂う
ダンナは私が胡坐を組んでいる腿に引っ付く形で寝ている
久理恵「さぁて、とりまゲーム制作はじめますかぁ!!」
そう気合を入れるとゲーム制作ソフトのマニュアルファイルを開き見入った。
カチ…カチ…カチカチ
マウスのクリック音が部屋に響き渡る
時折ダンナをもふもふしながら癒される
久理恵「なになにぃ?このソフトはゲームをビジュアル的に作る事ができ、プログラムノーコードで完成させることができるゲーム制作ソフトウェアです。
なるほど、AIボットちゃんが言ってた通りだわね~
ほんでほんで?」
私は夢中になるとつい独り言を言ってしまうタイプの人である。
これが原因でよく小学校ではイジメられたなぁ…ぐすん
そして、マニュアルを読みふけること3時間が経過した。
久理恵「ん~~~!!!だはぁ…やっぱ覚えることは沢山あるなぁ…
改めてゲーム制作者たちには感謝しかないわ~ 数々の面白い作品を楽しませて頂き感謝感激雨あられです♪」
私は大きく背伸びをすると、過去にプレイして来たゲームたちを思い出しながら掌を合わせ心から感謝した。
私には幼い頃から親が居なかったから、大事な事はすべてゲームから教わった。
あ、いや、祖父母からもいっぱい教わったけどね!
それはあくまで人間的に大事な事とか、田舎での生活に関してだからね。
久理恵「え~っと、とりあえずソフト立ち上げてぇ…ワクワク♪」
カチカチッ
Astral Genesis Studio(アストラル ジェネシス スタジオ)
画面にタイトルが表示され、間もなく開発画面と思われる画面になった。
すると画面横から小さい人化した猫?猫化した人?のキャラクターが出てきた。
アストラ「はじめまして!ボクはアストラ。これからゲームを作っていくキミのパートナーだよ!よろしくね♪」
片手をあげて可愛くポーズするアストラさん。
久理恵「!!!!!キタコレ。きゃわわわわなんですけどおおおお!!!よろしくうううううう!!!私は星之久理恵だよ!!」
アストラ「ホシノクリエさん。よろしくね!」
久理恵「あ~クリエでいいわ。クリエで!あと”さん”とか要らない!」
アストラ「は~い!改めてよろしくねクリエ♪」
なんだこの可愛い生き物は…好きだ大好きだvvv
この子がサポートしてくれるならいくらでもゲーム作れる気がする!!
そう思ってしまう単純なアホの子な私だった。(アホ顔)
アストラ「それでは、クリエは初めてだからチュートリアルクエストを始めるよ♪」
久理恵「チュートリアルクエスト?なんかいきなりゲームみたいだな!いいよ!なになに?何するのー?」
アストラ「まずは…手を画面に向かって広げて~」
久理恵「?画面に向けて?こうかな???」
アストラ「握って広げて~」
久理恵「ほい…ほい…」
アストラ「いっちにーさんしー」
久理恵「ほい…ほい…ほい…ほい…???」
この後10分位体操させられた。
久理恵「ねぇアストラちゃん。これ意味あるの???」
アストラ「はい、ゲーム制作はとても身体を酷使する作業になります。今後も準備運動は欠かさず行ってくださいね♪」
久理恵「???そんなに身体酷使するの!?いや、まあゲーム実況でも肩とか腰とかヤバイ時あるけどぉ…」
アストラ「体操を行う事はゲーム制作においても能率を上げる効果があると過去のデータと医学的に立証されているんだよ♪ いいゲームを作るには健康管理は欠かせないよ♪」
久理恵「すげぇ…ここまで言ってくれる人なかなかいないよぉ…なんか感動した!すっげー感動した!私のことを思って言ってくれたんだね…グズッ」
アストラ「はい、そのようにプログラムされています♪」
ガクッ プログラムかーい!!
アストラ「それではいよいよ、ゲームの作り方の基礎からはじめるよ♪」
久里恵「おっ、いよいよだね!お願いしますアストラ先生!!」
アストラ先生主導の元、チュートリアル作品を作っていった。
ほとんどマウスでできる作業ばかり。キーボード入力はたまに数値を入力する位だった。
2時間程度の作業と途中10分休憩をはさんでチュートリアル作品は完成した。
アストラ「クリエお疲れ様♪ これでチュートリアルクエストは完了だよ♪」
こちらに向かって可愛らしい手でグッ!ポーズをしつつ目がキュピーンとなるアストラさん。丸っとした親指またなんとも可愛らしくイイ!!v
久理恵「できたあああ!!のか?まだテストプレイしてみないとわからないね!」
アストラ「それでは早速プレイしてみよう♪」
再生マークのボタンをクリックするとゲームが起動した。
作ったゲームは簡単な横スクロールアクションゲームでアストラが主人公だった。
ゲームをスイスイと進めていく私。
久理恵「あ~ここちょっと苦労したところだ… それをこんな一瞬で通り過ぎてしまうなんて…うっ」
アストラ「クリエはゲームが上手いね♪」
久理恵「そうかぁ?私なんて下の中がいいところだと思うぞっと…あっ…ほらあそんなこと言うから調子に乗って落ちちゃったじゃないかあ!(プンスコ)」
アストラ「失敗時の処理もちゃんと動作してるね♪」
久理恵「う…ん…そうか、テストプレイだもんね…」
チュートリアルだけにゲームは1ステージで終わり、あっけなくクリアしてしまった。難易度はとてもやさしいので、私でもこの位は余裕だ。
と、その時!!
ふぁさあああああああ
久理恵「ぶっ!!ちょっ…こらあ!!ダンナあああ」
ダンナがもふもふしっぽを顔に当てて来たのだ。
ダンナ「ナァァァン!!!」
で、でーーー!!ダンナのカマッテチャンモードである。
アストラ「クリエには旦那さんが居るのですか?」
久理恵「違うの!名前がダンナなんだけど、猫なのよ~」
アストラ「猫さんですか!ボクと同じだね♪ 友達になれるかな?」
久理恵「クスッ そうだね!ダンナの友達にもなってくれるの?」
アストラ「ナァァァン ナァ ナァ ナァァァ」
急に猫らしい鳴き声で鳴くアストラさんに萌えた。
しかしダンナは無反応で、私にスリスリするのに夢中
アストラ「…」
真顔で佇むアストラさん。ちょっと可哀そう。
だがそこがまたイイ!!(萌え)
アストラ「ゲームの作り方の基礎は理解できたかな?」
久理恵「あ、うん。なんとなく解ったと思う!アストラちゃんの教え方が上手かったからね!」
アストラ「褒めてくれてありがとう♪」
もじもじポーズで恥ずかしがるアストラさん。
萌えだよ…萌えええ!!!
久理恵「モエェェェ…」
アストラ「モエ???とは何ですか?」
久理恵「あ~いや、何でもないの。さて、今日はここまでにしようかな!」
アストラ「お疲れ様でした♪ 今日のクエスト達成度は…」
どこからともなくジャカジャカジャカ…ジャジャーン!!という効果音が鳴った。
アストラ「Sランクで~す♪ 大変よくできました~♪ パチパチパチ♪」
画面に『Quest Completed!! ☆S Rank☆』とでかでかと金ぴかキラキラで表示され
満面の笑みで拍手してくれるアストラさん。
もう、萌えっていうか尊い!!
尊死してしまうううう
久理恵「わあ~っていうか評価されてたの!?アストラちゃんとのしばしのお別れは寂しいけど、また明日ね!今日は本当にありがとう!これからもよろしくね!!グスッ」
アストラ「クリエまたね♪バイバイ♪」
短く可愛い手を一所懸命にブンブン振ってバイバイしてくれるアストラさん。
程なくしてソフトが終了した。
久理恵「ダンナぁ…ゲーム初めて作っちゃった♪」
ダンナ「ナァァァ」
久理恵「アストラさんにちょっと浮気しちゃったけど…私はあんただけだから!」
ダンナ「ナァ」
久理恵「あんたとも話せたらいいのにね!」
この後めっちゃもふもふした。10分位。
途中でうざがられ猫パンチされたのは伏せておこう。
つづく
創星のクリエイター:ゲーム制作スキルで異世界作ります! @elspi
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