消えた杣人の行方は

古くから山には山の神が、また
海には海の神が座す。
それが古来からの慣わしであり
森羅万象を崇める民の心の拠り所で
あるだろう。


神も仏もない。

絶望した杣人は言うが、実直に生きた
彼の人生は、憂さ晴らしと表裏一体の
ものだったのか。それとも単なる
探究心の賜物か。

世の不可思議を、濫りに解く事勿れ。
妄りに断じる事勿れ。
半身は人、然しながら、もう半身は
魚のモノは意思を持ち得た。

 ましてや、捌つ事で仕分けるなど。


結局、その杣人は一体何処へと消え
失せたのか。
       これは祟りか。


彼は一体 ナニ になったのか。