暗殺拳法家集団・フリイダム団

「なあ、ポッポの連中に媚びを売らねぇか?」


 四州の南にある隠れ家にて、1人の拳法家が3人の仲間たちに画期的な提案を行った。


 彼らの名はフリイダム団。


 かつて、秦国の裏社会を拠点に活動していた暗殺拳法家集団である。


 

「つってもリーダー、あんな得体の知れない野郎どもにどう媚びを売れっていうんだい?ウマく話でも付けるのかい?」


 索敵拳使いの馬調ばちょうがたくましい肉体を揺らしつつ、リーダーである鞄壊ほうかい拳使いの墓舞はかまうに苦言を呈する。


「いくら未知数の相手とはいえ、その本質は人間だ。同族なら、いくらでも手立てはあるんだよ」


 ダークウェブにアクセスして個人情報を漁りつつ、馬調に反論する墓舞。


 彼は拳法と同じくらいハッキングやITにも精通しているのだ。


「……んで、さっきからダークウェブで誰の個人情報を観ているのだ?」


 普段は無口な毒手拳の巳地流みちるが長い前髪の向こうから墓舞を見つめつつ、問いかける。


「ポッポマンが殺したくても殺せなかった人たちの情報だ。コイツらを殺して……ポッポマンへの手土産にする」


 カチャッ!


 墓舞がエンターキーを押すと、11人分の個人情報が画面にあらわれた。


 11人は皆、3月1日の憧憬高校襲撃事件の生き残りであった。


『なるほド。たしかにこの作戦が成功すれば、我々は確実にポッポマンから気に入られるでしょウ』


 感電拳使いの羅健らけんがすこしぎこちない喋り方で彼の意見に賛同する。


「秦国による反社会組織弾圧の影響で4人にまで減ってしまった我々だが……この作戦を成功させ、絶対に返り咲くぞ!」


「「「ヴィエンシン・フリイダム!」」」


 『自由に成ろう』という意味のスローガンを皆で言い、フリイダム団は結束をさらに強めつつ、作戦に向けて動き出すのであった。





 

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ポッポマンといっしょ~無敵のバケモノに変身できるようになった少年、暴虐の限りを尽くす~ 四百四十五郎 @Maburu445

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