小学生の時に出会った名作ミステリーシリーズのような、わくわくをまた味うことが出来ました。
夢中に読ませてしまうのは、やっぱりキャラクターたちの魅力がずば抜けているから。
加えて、とにかく文章が読みやすい。
この作品は、老若男女に受け入れられる楽しさです。
数々の事件を解決してきた実績を持つ少年探偵団の小林&佐久間バディが、今回は人の良いラーメン店主のある悩み事を解決すべく推理します。
特に彼らが素晴らしいのは、話をよく聞く力だと思いました。
さて、小学生でありながら、大人顔負けの推理力と対策を思いつく少年探偵団は、今回の難事件を解決し、ラーメン店主を助けることが出来るのか!?
そう、江戸川乱歩御大の作品に登場する彼ですよね。
その呼び名の通り少年ですが、名探偵明智小五郎の有能なる助手です。
えっ?そんな『小林少年』が朝霧小学校にも?!
どうですか。
もうワクワクするでしょう?
ウチの学校に名探偵の助手がいるとか。
そんなのもう何かあったら即頼りますよ。小学校ったってね、ミステリーな事件の一つや二つあるものですから。給食費が盗まれたとかね。え?いまは振込だから現金を持ってきたりはしないって?えっ、でも昭和の時代は……。
まぁいいです。
とにもかくにも、江戸川作品に出て来るような、それはそれは有能で、切れ者の『小林少年』のような小林少年が大活躍するお話なのです。
果たしてこちらの『小林少年』は無事、難事件を解決出来るのでしょうか?!
ボクは小林。
ボクには、『佐久間』という正反対の友人がいる。
そして今日も、佐久間に振り回されることに。
「小林、お前に頼みたいことがある。朝霧小学校の小林少年と呼ばれてる、名探偵の力が必要なんだ!」
だからボクは『小林少年』でも、『名探偵』でもないってば!!
と、ボクの主張むなしく、佐久間はボクを連れていった。
はたして、たまたまかの名作『少年探偵団』の登場人物の名前と一致しているだけのボクに、事件は解決できるのか?
とか思っていたら、依頼人(?)はなんと、大人。え、どういうこと?
人の心を推理する、心優しい探偵二人のお話です。