第3話
寂しい時も、悲しい時も、私はきっと貴方の側に居るからね。」
と、
病身の妻が落ち込んでいる私を励ましてくれた言葉だった。
私は人目を気にする事も無く泣いた。
涙が止まる事も無く溢れ出す。
「どうしたの、翔ちゃん。元気出してよ!
私はここに居るよ」
と、力強い言葉。
「翔ちゃん、私はずっと側に居るからね。
きっとだよ。貴方の側にいるよ」
と、言葉を残して消えた。
あれは幻か?
夢か?
今になっても私には解らない。
あれから妻は薔薇園に来ることは無かった。
でも感じるんだ!
僕の側に妻がきっと居る事を。
だからもう、悲しんだりはしない。
絶対に悲しんだりはしない。
寂しくなんか無いよ。
また直ぐに会えるからね。
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