プロローグ〜終幕

5000年前から永きに渡って続いた「魔人大戦」。 

勇者の暴走による戦争の過激化が見込まれたが

誰一人彼につくものはおらず実質的に

「魔人」の味方がいない以上「魔人」を一丸

となって総力戦で封印する予定であった。

いくら「勇者」といえど魔族人族ドワーフエルフの全種族が一つとなって戦えばなんなく

倒せる予定であった…




『彼らは舐めすぎていた彼の強さを』



――――個にして究極の存在を―――――


「クソッ聞いてた話と全然違ぇ!」


戦況は過酷であった、全員が一つとなって

戦えば倒せる相手だと聞いていた…

それもそのはず彼は「人間」だ

人間は群に優れた存在だ、そのため

個の戦闘能力は魔族やエルフに劣る。

だからこそ軍隊相手で、全員でやれば

難なく勝てる相手だと―――




『彼らは過信しすぎていた』



カッッッッッッッ!!!


―轟音が鳴り響き、大地は揺れ、

世界を喰らいつくさんと破滅の火柱

が舞い上がる―



正に『地獄』


「ハハッバケモンだな…」


今や戦闘能力が人族より劣っているドワーフ族

すら戦線に入れられていた

前方ではエルフの王や勇者、魔王や四天王

ましてや邪神すらも戦いに駆り出されていた

しかし、それでもなお…



「少し傷がついたな」


――――面白い抗ってみろ―――――

――――俺という絶望に――――――


この大戦を、いや世界を眩しいほどに邪悪の

炎で包んだ張本人は未だに健在であった


――――――――――――――

―最前線―トータスの丘


「このままじゃジリ貧だッ!!」


エルフの王「カイン」が言ったその声は

切羽詰まっており普段の穏やかな声ではなかった。


「わかってますッ!聖火魔法を掛けますッ!」


次にエルフの勇者「エマ」暴走した勇者に

対抗するために異世界から召喚された

もう一人の勇者、カインのサポートに着き

強化魔法や星属性魔法でサポートや攻撃を

こなしてカインのサポートや勇者の魔法

の相殺を同時に行っていた。


「吹き飛ばされんなよカインッ!」


最後にザギル魔王である、もともと人族や

エルフとは良好な関係ではなくむしろ敵対

関係であった、しかし勇者暴走をきっかけに

友好関係を結びカインや人族の王の相性

の良さから「戦友」と呼べる間柄となった。

※ちなみに四天王は全滅である


そして――――――


――――――――――――

白き雷、「白雷」を操る

王の中で最も群に優れた存在


「「遂に来たか!(遅いよ!)」」


―――悪い皆待たせた―――――















「「「「「「シャルル王!!!!」」」」」」



―――真の勇者の到着である――――


「キヒッ!もうそろそろ終いにしようッッ!!!」


―――ヨハネの黙示録―――





《開書》



―秩序―

―戦争―

―無秩序―

―死―


―終わりだ―


《デウス・エクス・マキナ》


―――――――――――

カイン、エマ、ザギル彼らは

戦線から退避していた、

ザギルはシャルルを置いて逃げることに

反対していたが…


「こりゃあ俺達が居たら死ぬな」

「だろ!?」


ザギルは納得した目の前で起こっていることを

一言で表すのなら正に


「神々の戦い」


白雷による轟音が鳴り響き、余波によって大気

が揺れ、勇者の邪炎によって海が周辺海域が

沸騰するという正しく「世界の終わり」に相応しい場所と化していた。


だがしかし―――――


「瞬転」


「ッッッッッ!!」

(さっきまで遠距離で攻撃していたというのに、

近距離で詰めてきた!遠距離だけかと思ったら

近接もイケる口かよッ!)


「っていうことはさっきのはブラフかッ!?」


シャルルが言ったあと突如災厄が攻撃の手をやめそして唐突に攻撃をやめた、その出来事に

シャルルは動揺した。

(唐突に攻撃をやめて笑ってやがる…つくづく頭のおかしい野郎かと思ったが全員に殺意を

向けられているこの地獄のような戦場の中で嘲笑っていやがる)

並の人間では渦巻く強者の殺意を全て向けられているならば一瞬の間に死ぬのだが―――


――――笑っている―――――


これすなわちこの危機的状況と"思われている"中この笑いが示している意味とは
















――――全力を出していない―――――


信じたくなかった、先の攻撃が


――――全て遊びだったなんて―――――

ひとしきり嗤った後一つの言葉を"それ"

は言った。


「遊びは終いだ」


―――――終幕といこうッ!――――――

この世界の希望を全てねじ伏せるかのように


―――――魔王は言った…


そこにあるのはそこに広がるのは


絶望





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5000年勇者 @mokkuya

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