第6話 氏家の罠
「まずは全軍を引かせよ。この策を見破らないために直江を破ったのだが捕まえたとあれば上場」
「敵軍が引いた?ならば今のうちに攻め込むぞ!」
「待て!本庄!それは罠だ!本庄」
斎藤は罠に気づくも本庄の耳には聞こえない。
「フッここまでくれば!皆の者!展開せよ!本庄を打ち取るのだ!」
「本庄を見放すわけにはいかぬ。斎藤隊、進め!」
「本庄繁長隊壊滅」
「斎藤朝信隊壊滅」
「斎藤がやられた?どうなっておるのだこの城は!」
「毛利長秀隊壊滅」
「五十目秀兼隊壊滅」
「大石綱元隊壊滅」
「北畠顕村隊壊滅」
「須田長義隊並びに溝口貞泰隊壊滅」
「クッ…引くしかないか!志村、殿を頼む」
「ハッ」
そして逃げ出すも城門の前には俺が待っていた。敵に逃げ出させて背後を取る。前しか見えてないものには簡単だった
「上杉殿?少々判断が遅いのでは?」
直下騎馬兵千が牙を向く
俺は眼下の光景が真実とは思えなかった。
まずい。非常にまずい。逃げ道は塞がれている。ならば……
「全軍よ。前も後ろも阻まれた。しかしまだ退路はある!横の壁を超えろ。ならば逃げ切れる!」
「ハッ」
「何!?騎馬兵、景勝を打ち取るのだ!」
「そうはさせぬ!」
「館様はかえらにゃあかんのだ!」
明らかに悔しそうにする氏家に俺は慰める
「クッ……もう少しで打ち取れたものの」
「落ち着け、お前の策は悪くなかった。ただ、城の塀が低いのは失敗だったな」
「ええ。直す時間がなかったとはいえ景勝を打ち取れそうでしたのに」
「勝鬨をあげよ。今宵は我らの勝利だ!」
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