第2話 シンジツ
目を覚ました時、視界に映り込んだのは謎の景色だった。特に予定もなく家で本を読み耽っていただけの自分がなぜこんな真っ白の空間にいるか、わからなかった。でも、ここにいるだけならば進むしかない。そう思った自分もいた、夢ならば進めばきっと覚めるはずだからだ。
しばらく進んだ、進んでわかったことがある、この世界は夢ではないようだ。夢だと思って頬を殴ってみた。頬がヒリヒリする。夢ではない、じゃあここはどこなのだろうか。
またしばらく進んだ、またしても発見をした、この世界の右下に数字があった。ある程度進むと数字が増えた。この数字は一体なんなのだろうか。それを確かめるためにまた歩み始めた
また進んだ、頭の中に確信ができた。ここは本の世界のようだ。ここを歩いていた時だった、看板を見つけた。そこには『ここは本の世界』と書かれていた。そのすぐそばに人骨があった……
気がつけばさらに進んでいた、右下の数字は58になっていた、いろんな景色を見た、砂漠…草原…森…手の形をした雲を見つけた時に地震が起きた。その雲は白じゃなかった、他の雲は白のなのに…ずっと進んだ、前を見て進んだ。その度にいろんな景色を見た。僕が進むと文明も進んだ。でも文明は滅んだ、人間のせいだ。どんなに優れて文明でも使い方を間違えれば簡単に無くなってしまう。そのことに気づいた。
右下の数字は99になった。新しい命が芽生えて、1からやり直していた。今度こそ、平和な最後をむかえれるようにと彼らは願っていた。
そして気づいたら、僕は戻っていた。いつもの家に、あの時と同じ時間に、何事もなかったような静寂がその場を支配した。目の前に本があった。題名は『真実』だった。
その本に恐怖を感じた、だから燃やした。暖炉に入れて燃やした。そして、叫び声が聞こえた。
全部わかった、自分のしたことが全部わかった。える手で灯油の入ったポリタンクを持ち家に灯油を撒く。そしてマッチを擦って、火をつけた。床に落とした。
最後はただ一つ、悲しかった。
梅干しのミステリー 梅干しニーサン @zerosenmania
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