『酔書乱筆』

 ロクな文章が書けない―と苦しみながら、俺は酒を呷る。

 もう、小説を書くのを諦めてしまおうか、そう思いながら。

 最近は文章を書いても物語の体を成さない。

 きっと。疲れているせいだ―そう思いたいけれど。

 単純に。俺に才能がないだけだ。

 週6で仕事をしていたって、書く能力があれば、今でも小説は書けているはずで。

 今、全く書けないのは、全て自分が悪い、そう思う。

 

 今、何本目の酒だっけ?もう覚えていない。

 ストレスに晒され過ぎて、俺は酒を手放す事ができなくなっている。

 これは良い兆候ではない。

 このまま、アルコールに溺れていたいが。俺の中の僅かな理性が「ノー」と言う。

 

 俺は。

 文章を書きたいのだ。改めて宣言するような事じゃないけれど。

 だけど。時間を取る余裕がない。少なくとも平日は。

 だから。こうやって休みの日に筆を執っている訳だが。

 ああ、マシな文章が降りてこない。

 その上、俺は寝不足で。ロクに想像力が働かない。

 

 『スケッチ』と称した断片を書いて誤魔化すのは、もう無理だ。

 キチンとした小説を書きたい。

 だが。今の俺は何本目だか分からないビールを呷って、キーボードを打つのも苦しい。

 なのに。テキストエディタを起動してしまい。カクヨムにログインしてしまう。

 

 ああ、ジレンマ。

 もう文章なんて書きたくないって俺と。

 まだ、書いてない文章があるって書きたい俺と。

 その2つが戦っている。

 いい加減、楽になりたい。殺してくれ、とさえ思う。

 

 ―なんて。

 文章を公開したって。誰も読みやしない。

 こんな文章なんて意味がない。

 カクヨムのリソースの無駄遣いだ。

 ラストのビール呑んで、昏倒する勢いで寝てやる。

 後は知らん。

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『仕事に行きたくない』 小田舵木 @odakajiki

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