等身大のリアリティ

『リアリティだよ!リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり、リアリティこそがエンターテイメントなのさ』これは、ジョジョの奇妙な冒険の作中人物、漫画家の岸部露伴の名言ですが、このアメリカ旅行エッセイの端々から感じるのはまさにリアリティでした。
若さに任せて、勢いで?アメリカに旅立った若かりし頃の作者さんたち。サクセスストーリーどころか、その日の御飯にも事欠く様な事態になりますが、ありのままの描写は真に迫っていて、読む手が止まらなかったです。その時代、その場所に行った人でないと絶対に書けない物語。どこかコミカルな表現でクスリと笑わせてくる持ち味も健在です。決して説教臭くなく、でもハッと自分を見つめ直す契機をくれる部分も。次回作も、楽しみにさせて頂きます。