美しさと残酷と、植物に託された何かと

童話なのですが、人間を戯画化したような寒々しい感情と残酷さが描かれていて辛く、だからこそ美しくもあります。
確かにオスカー・ワイルドの童話みたいな澄んだきらびやかな毒で彩られていて、読みたくなる甘美さと、人間性に対する悪意に近いものが胸に迫ります。
酷いお話なのに、不思議と読後感は静かです。