第4話 契約
「
無病様はそう言って
「今すぐ帰ってもいいですか……?」と出かかっていた。
言うんだ左門……!
はっきり、俺には無理だって言わないと……!
このまま……
しかし、今日は色々な事があった。
口を開こうとした
朝から山を
それに
つまり、俺の体力は
そのまま
ゴンッという音と
そう、すっかり眠りへと落ちてしまったのである。
「し、
――………。
――……あれ。
――……なんだ?
とても……
大きな寺の
俺が育った寺だ。
親友の小坊主である
その手には
『早く来いよ〜!なくなっちまうぞ!』
ああ……やっぱり夢だったんだ。
良かった……俺……。
異星人ってヤツを見てさ?
顔が
あ、でも無病様の方は
言いたかないけど、カッコ良かった。
右京にも見せたかったよ……!
あの寺はホントにとんでもねー……
――
――左門。
誰かの呼び声がする。
そう思って後を振り向けば。
なんだコレ……?
真っ暗で、何も見えやしない。
ひんやりとしていて、静かな場所。
どこだここは。
「左門」
そこには白い
『無病様?なぜこんな所に……っていうかどこですかここは……?』
そう
しかし俺のその声は、ゴポゴポという
どうやらここは、真っ暗な水の
「お前は眠ってしまったから、ここで話そう」
無病様はそう言って地面を指差す。
異星人ともなると、眠ってる間にも話ができるのだろうか?
「お前をこの寺に呼んだのは、
無病様は表情を変えぬままそう言った。
その声は
「人の子にしか頼む事ができない」
その言葉を聞いて俺は
――そこで……
良いか?
絶対に、化け物と呼ばれる
良いね?
聞いてはならんぞ……。
ある
何故今、そんな話を思い出すのだろう。
その時無病様が、何かを
「
そして次の瞬間には、俺は和尚が何を話していたのか思い出せなくなっている。
大事な話だった気がするが。
なぜだか思い出せない。
俺はぼうっとする意識の中で、首を
「異星人のチカラをどう思う?」
無病様はそう言って、真っ黒な空間の底を
たちまちゴポゴポと音を立てて真っ黒な錫杖が出てくる。
「異星人のチカラがあれば……この星は思いのままだ」
無病様がシャンと音を立てて錫杖を
たちまち
そうすると俺の周りにはいつの間にか、黒い錫杖を持った形のない影が立っていた。
影たちは錫杖を
まるで何かを
「私は
無病様は影たちを見つめながらそう言った。
「やっとお前を見つけた」
『契約……?』
何が何だか分からず、俺はただ首を横に捻る。
「この星は異星人に
無病様は肩をすくめ、
「そこでだ」
無病様の真っ黒な瞳に俺の
「私と契約してほしい。左門」
契約とは何だろう。
良くわからないが、無病様は
『チカラを取り戻したら……何をするんです?』
俺はゴポゴポとそう言った。
無病様は目を細めて
「人間を
今までに見たことの無い表情。
そんな顔で無病様はそう言った。
その顔を見て、俺は思ったのだ。
異星人だとは言っても、無病様はこの寺の和尚。
俺はまだ、そういうのは良く分からないが。
寺で育った小坊主としては、
そんなバカな事を思ってしまった。
『良いですよ』
ガポガポと音を立てて俺がそう言えば。
無病様はゆっくりと
「ありがとう左門」
そう言った瞬間。
無病様は持っていた錫杖を俺の体へと
「人の子はいつも、私の
ゴポゴポと
「寺までの道に
体が
なんだこれ……!?!?
なんだコレ……!!
死ぬ……!
このままじゃ死んでしまう……!!
黒い水の中で
しかし苦しみが消えることは無く。
むしろどんどん酷くなっていくように感じた。
あっという間に
こちらを見下ろしている無病様が見える。
それを最後に俺の意識はブツリと
無病様にお願い 高花れい @takabana_rei
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