第3話 無病様
「出た出た出た出た!!」
「ほんっとに出やがった!!」
気が付けば俺と
もと来た道を
「
「知るかよ!!」
ろくな返事が返ってこない。
「待て……
夜夏の声に
後ろの小道を、無病様の顔をした
地面スレスレを
その顔は
「コイツさぁっ、寺まで
ハアハアと
「無病様なら何とかして下さるに決まってんだろ!!」
夜夏はそう言い切った。
いやいや!
んな事言ったって、無病様って寝たきりじゃねえか!?
しかし、そんな事を口にする余裕もない。
追いつかれたらどうなるんだ!?
そんな事ばかりが頭をよぎる。
道の先に寺の
門を
「はぁ……はっ……これで、中には入って来れないはず……」
夜夏が息を
メキメキと音を立てて、閉めたばかりの扉が
続いて
「
「あぁぁぁあ゛!!無病様!!」
俺達はそんな
真っ暗な
そこをバタバタと
「無病様ぁ!!お休みの所すみません!!」
夜夏はそう言って、
ろうそくの
そこに肘を付いて、無病様は何やら
「お前達……まだ起きていたのかい」
「
「いえ……すみません無病様……私めが……
しどろもどろとそう言う夜夏。
それを
「俺たち化け物に追いかけられて!!それが今、裏門に……!」
その時。
開いた襖の外に見える、中庭の
バラバラと
それが
顔の裂けた
俺と夜夏はすっかり
「ほお。夜夏お前……言いつけを
無病様は
たちまち夜夏は
「あの!俺が……無病様の言った事を確かめようと言ったんです……」
俺がそう言えば、無病様はふむと首を
「……みづけた……ミツケタ……ヒヒっ……」
その時、女の
無病様はゆっくりと布団から立ち上がり、
「どうやら私に用があるようだ」
そのまま襖を開き、中庭に
俺と夜夏は、
無病様の動きはゆっくりだし、
あんな化け物の前に出てどうするというのか。
「何を
廊下へと出た無病様がそう言う。
顔の裂けた女は
「イノチ……無病のイノチィィ……!!」
次の瞬間。
女は巨大な腕を振り上げて無病様へと飛びかかる。
「うっわ……!!」
俺と夜夏が
無病様の
「何だこれ……」
思わず
「……
中庭の木々に
「その星の
何の話だ……?
俺は思わず無病様の話へ耳を
「どう言う
害意のあるもの?
あの化け物みたいなヤツの事か?
「私はその膜がとびきり
無病様はそう言うや
たちまちその影から、ゴポゴポと真っ黒な
「私の
無病様はそう言いながら、影から何本も真っ黒な錫杖を引きずり出した。
木々に突っ込んだ化け物は、
「
無病様はそう言うと。
手に持った錫杖をまるで
それが全て木の前で倒れた化け物の体に
その瞬間。
化け物は声にならない
突き刺さった錫杖のみが、その場にガラガラと落ちる。
「ふむ……相変わらず
無病様はそう言って首を回すと、化け物が消えた木々の前へと歩み寄った。
見ると黒い錫杖たちは、庭の小石や地面をも溶かし始めている。
「それでお前達……」
無病様が
「外は楽しかったか?」
今までに無い
どうやらそうでは無いらしい。
俺は何と言えば良いのか分からず、ぱくぱくと口を動かした。
「あの……無病様、それは何だったんです……?」
夜夏が化け物が消えた
「人間の
「星人……??」
俺は思わずそう聞き返してしまう。
「ああ、伝え
始めて聞く情報の
「私は異星人の
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