系統1‐5 私はバスに、取り残された。
…気付くとバスは、雪深い
窓が割れたのか…風雪が
私は床に、
そこまで自身の置かれた状況を理解すると、急に痛みを思い出す。
指で床を
どこをどう
だけど、
か
痛い。痛い。痛い………
私は首を必死に動かし、周囲を見渡そうとする。
―爆破魔は…どこに…?
…そのとき、
「まだ生きてらっしゃいましたか。」
爆破魔は、私を…見下ろし、立っていた。
「…っ!!」
なんとかして目線を向けると、爆破魔の表情は…消えていた。
眼鏡の奥の瞳も、口も、人形のように動かない。感情がわからない。
ただ、
すると爆破魔は不意に
距離がぐっと近付き…私の顔が
「…お客様。最期まで必死に
嬉しそうに、
爆破魔はひとしきり
前ドアから車外に出て、ざくざくと雪を踏む足音が遠ざかる。
…完全に爆破魔の
私はバスに、取り残された。
このまま、救助を待つしかない…
早く、帰りたい…
帰って、いつもの日常に…
戻りたい。
戻り…たかった。
………バスは再び、大きく爆発をした。
*
「…お疲れ様です。交通清掃部の
少し離れた
すると
ドアが閉まると乗用車は、吹雪の中へ走り出しました。
「はい、お疲れ様でした~ 相変わらず
乗り込むや
乗用車を運転しているのは、
「
「ルール説明は必要でしょ。まーいくら喋り過ぎたところで、死人に口なしだから。」
そのまま車に備え付けのティッシュを数枚抜き取り、眼鏡の水滴も拭きました。
「…乗務中の状況を
「あーすごかったね、あの子! 車止めで殴りかかるとか! てか乗客の武器になるような物、勝手に車内に置いちゃ駄目でしょ。」
「…あのぐらいの
「…あの車止め、
「詳細は
「そういうとこが
パトカーや消防車のサイレンが、遠くから風に乗って…
*
20××年2月 バス爆破事件
発生件数:3件
戦慄の公共交通機関 廻路ねず @kedamanezumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。戦慄の公共交通機関の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます