「10秒で読み終わる」という説明文に惹かれ、「いやいやショートショートでもさすがに10秒では、なかなか難しいのでは……」と読み始めたら、最初の「猫の落書き」でぐっと掴まれました。
びっくりしました……わずか数文の中で、きっちり読者をミスリードし、ラスト一文でそれをななめ上の結末で裏切る。
コインとかトランプとか、そういうシンプルな道具を使った、巧みな手品を見せられたような気持ちです。
○○編と幾つかのジャンルに分かれていましたが、個人的に読者としては、同じジャンルのものを順番に読むよりも、違う編を行き来する方が楽しめそうだな、と感じました。
恐怖編の「買い取り屋」でゾクッとして、教訓編の「同じ漢字」でくすっと笑うのがとてもいい感じでした。
個人的に好きだなと思ったのは、傑作編の「イエローカード」です(笑)