第4話愛に飢える

朝のチャイムが鳴る。

キーンコーン…カーンコーン…

教室のドアが大きく跳ね上がる。


「ふーーーー!!今日もギリギリセーフッッッ!!!!」


「全然セーフじゃねーよ!!!むしろ遅刻だろ!!」

誰かのツッコミで、クラスが賑やかになる。


よし、今日も笑いを取れた

なら良かった。

心中の中で安堵していた。


野々川翔


生まれたばかりの俺に付いた名前。

中々かっけーんじゃないか?ってたまに思う。

だから2週間に1回は俺の名前を自慢してるかも。

そしたらさ、誰かが言うんだよ、

「もう何回も聞いたってーー!!w」

「まじ野々川おもしれー!」

こーやって皆で馬鹿やってるときがいっちゃん楽しいし、皆も乗りに乗ってくれるし、このクラスで良かったーーーー 。


そう思ってたけど、父ちゃんの転勤が決まった。

俺には母ちゃんがいねぇ。

小さい頃にどっか行った。昔父ちゃんに

「なんで俺には母親がいねえのか」

聞いてみたら一発殴られたっけ。

もう今は中学生だから、大体の理由はわかる気がする。

どーせ新しい男見つけて逃げてんだろって。

まあ、父ちゃんは金だけはあるし、片親だけだってとしてもどうにかなるだろ。

皆は今頃、慣れたあそこで中学校の入学式やってんのかなー、俺も今日だけど。まー、俺はすげえからすぐにでも友達できるだろ。


その学校にはどっかで見たことあるなーーって顔の奴らがいた。

この子、なんかメンダコみたいだなー。とか

この子の名字前にもいたなー。だとか色々考えていた。

入学当時はそんな事を、考えていた。



今は前の学校みたいに楽しくやってる。

入学当初メンダコみたいと思っていた今野とも仲良く慣れた。

他の奴らとも元気にやってる。

あーあ、こんな日が続けばいいのになー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

恋に沈む 住人ㇳ居ㇿ @jyunin_116

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ