悩みぬいた末にたどり着いた答えは? 完

 玲ちゃんの笑顔で始まった午前中、特に外出するつもりもなかった。朝の身支度を終えて朝ごはんを食べた後は、昨日からそのままのソファーベットの上でふたりいっしょにダラダラと過ごした。

 何も目的もなくスマフォをいじったり、テレビを見たり、仰向けに寝てる僕のお腹の上に玲ちゃんが頭をのせてリラックスしてたり、暇なのに抜け出せない…これ人をダメにするクッションと同じだ…。


 

 遅めのお昼を取り、玲ちゃんのお返しのひとつの準備をする。


 ソファーに座った僕の太ももの上に玲ちゃんの頭をのせて、顔を僕のお腹側に向けてもらう。そして僕自慢の耳かきセットから。


「それでは始めさせていただきます」「よしなに…」


 まずはラバー製の耳かきで入り口に溜まる耳垢を…。


「ふぉっ」「ふお?」


「な、なんでもない!(声出ちゃった)」「じっとしててね~」


 カリカリと優しく削るように。もともと綺麗だから目に見えるほどの変化は見られないけど、結構取れたかな。 次は光る耳かきで…お、あった、奥の方に...。

 少しづつゆっくりとこっちへ…カリカリカリと…。

 

「ふぁぁ(よだれが出ちゃう…)」「もうちょっとだからね~…ハイ取れた」


 レンジであっためた濡れタオルで拭いて、少し耳たぶを揉み揉みと。


「んっ! んぁっ! ゆ~くん~(うそっ!耳きもちぃぃ)」


「ほいほい…おわりっと。玲ちゃん向こう向いて~」


 あきらちゃんの体勢を変えて、もう片方の耳も同じように………できたっと。


「はい、完成。それじゃあ玲ちゃんお風呂行ってらっしゃい」


「ふぁ~い…いってきます」「大丈夫?」


 少しフラフラしてたけど大丈夫と片手を上げて歩いて行った。玲ちゃん耳が敏感だったか…次はもっと繊細にやらないとな。 


 15分後。


「優君これでいいの?」「うん、ありがと」


 今度はジャージに着替えた湯上り玲ちゃんに、ヨガマットにうつ伏せで寝てもらう。その上に大きめのバスタオルをかけて…足裏から始めよう。ぬるめのお湯でのぼせない程度に入ってもらったから、筋肉が柔らかくなって揉みやすい。


 「玲ちゃん触るよ~」「は~い、お願いしま~す」


 足の指を一本づつ軽く摘まむようにコリコリと…。


「ちょっとくすぐったい…かも?」「慣れると思うけど痛かったら言ってね?」


 両足の指を終えて、次は土踏まずへ。指の腹を使って、強めに、ゆっくりと……。


「(あ、ここ結構気持ちいいかも……)」「…」


 そしてカカト……ここ骨があってやりにくいんだけど。アキレス腱と……ここに疲れがたまるしね。ちょっと刺激が強い土踏まずのアーチが始まる部分を…。

 

「ちょっと痛いけど、つらかったらすぐに言ってね?」「うん…」


 ぐっぐっぐっ…と少し強めに押す。


「くふぅ…ちょっと慣れてきた…かも…」「我慢しなくていいのに、この辺をコリコリ刺激して……」


「(!! 痛いのに、ちょっと気持ちいい!) ふぅ~くふぅ~ハー、ハー…身体がもっとポカポカしてきたよ優君?」


「足裏は第二の心臓だからね。このままふくらはぎをっと…」


「お、お手柔らかにね?」


 ふくらはぎを縦のツボに合わせて押していき、軽く揉みほぐす。すね側もツボがあるのでそこも軽めに押していく。玲ちゃんの嬌声が聞こえるが僕の幻聴だ…たぶん。

 ひざ裏、太ももと上がっていき、


「玲ちゃん、お尻もさわっちゃうけど…いいかな?」「…うん…おねがい…」


 これはマッサージ、邪まなものは何もない。ないったらない。お尻と言っても腰に近い上の方やという中心部分をだけどね。肘で強めに押した後に指圧で優しめに押し直す。

 いつの間にやら玲ちゃんが、ジャージの袖を軽く嚙んで声を押し殺していた。


 …なんで女の子の我慢してる時の息づかいや声ってこんなに…エロいんだろう…。


 はっ! 違う! これはマッサージ! いかがわしいことなんて何もない!


 玲ちゃんに体重をかけないように跨って、腰から背中を両手で指圧していく。背骨を挟むように強すぎず、でもしっかりと指がツボに沈んでいく感覚に集中して…。

 、万能ツボなのでお試しあれ。


 

 空手で鍛えてるからだろうか、柔らかくしなやかで張りがある。ずっと触っていたい…父さんだとゴツゴツしてるし筋肉硬すぎるしで疲れるけど。


  肩、首筋、頭も終えて仰向けにし、足の付け根の際どいところだけどを軽めに押す。そして片足づつ手で持ち上げ股関節のストレッチ。玲ちゃんはキックするのが得意らしいので下半身に疲労が溜まりやすいのかもしれないなぁ。


 最後にマッサージクリームを顔につけて指で広げながら円を描くようにさすっていく。玲ちゃんの息づかいがハァハァしてた時は興ふ…焦ったけど、今は落ち着いて眠ってしまったようだ。


 疲れていなくても気持ち良くて眠るようになる技術を身に着けるまで何年かかったか…。役に立つ日がくるとは…。


 今のうちに夕飯準備するかな。


  

「…あれ…寝ちゃってた。外暗いや…」「おそよ~玲ちゃん」


「ごめん寝ちゃった。お夕飯準備するね?」


「できてるから大丈夫だよ。よく眠ってたから起こすのもと思って」


「あ、ありがとぅ…。優君に至れり尽くせりで申し訳が…」


「いつもお世話されてる身としては、これくらいはね…、身体痛いとことかない?」


 玲ちゃんはゆっくりと立ち上がり、その場で身体の動きを確かめるように屈伸したり震脚したり、棒立ちになったと思ったらフィギュアの回転ジャンプみたいにクルっと回って後ろ回し蹴り? をした。


「うん! 絶好調! よく動ける…人にやってもらうとこんなに違うんだぁ」


「そっか、よかった。揉み過ぎて筋肉損傷とかあるしね」


「ありがとう優君。…もうこれは私専属のマッサージ師、就任決定ですね」


「喜んで。お夕飯食べよっか」「うん! 私お腹ペコペコ」


「ペコペコって可愛いな」「ペコペコなのはペコペコなの!」


 少しだけ遅くなった夕飯を、玲ちゃんの嬉しそうに話すマッサージの感想を聞きながら時間をかけて過ごしていった。

 (数時間後…恐るべき事態になるとは、この僕の目でも見通すことは云々…)

 



 人の人生に絶対なんてない。それでも絶対に近づけるように、この気持ちを、想いを、約束し、誓い合う。まぁ契約だとか呪いだとか、法律で決まってるからとか言いかた悪いのもあるけど、愛を確かめ合うという意味で形として見えるのは拠り所としていいものだと思う。

 

 ふたりだけの約束。ふたりだけの誓い。拘束するのではなく、相手を思いあい共に幸せになろうと。

 

 玲ちゃんの最後のお願い。玲ちゃんが僕にして欲しいこと。

 

 互いの右手の薬指に自分達で作った銀の指輪をつけ合う。つける指の位置の意味は、心を安定させられる効果と恋人がいる印としてのラブリング。

 鎌倉で作った後すぐに交換しなかったのは、今日のためというのもあったらしいけど、優君が持っててくれることで優君エネルギーが注入されるからだって…。

 

 玲ちゃんが尊すぎてしんどい…いやしんどくない!


 学生の身の上だし普段から身につけることはできないが、プライベートにつけるなら問題ないだろう。


「左手の薬指は、予約と言うことでよろしいでしょうか玲ちゃん?」


「ええ、よくってよ…ふふ…ごめん言ってて可笑しい。………はい」


「じゃあ簡略だけど一緒に…」


 

「病める時も健やかなる時も、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います」 

「病める時も健やかなる時も、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います」



 お互いに見つめ合い、顔をゆっくりと近づけていき…瞳を閉じる。


 …重なる唇を誓いとする。



 これは仮かもしれないし、神聖なものでもなんでもない、お遊びのようなものかもしれない。

 

 でも、この誓いを僕達は、死がふたりを分かつまで…。


「あきら、愛してる」

「ゆう、愛してる」




おしまい











 


 深夜


 …。


 …。


 …。


 ...し、したい。


 雑誌とかユイちゃん情報から知らされていたけど、本当にあるんだ。

 もうすること以外何も考えられない。

 わたし、発情してる!?


 待って待って待って、優君とペアリングの交換をして、あんなに素敵でロマンチックな宣誓も口づけもしたのに…優君とHしたい。


 マッサージしてもらった時から身体がムズムズしてて熱かったけど、寝て起きたら少し納まってて調子も良いのに…お夕飯だって優君特製を食べただけだし…。

 その後もミルク多めのを少し食べただけなのに…。


(注)傍点は全て性欲増進効果があるので注意してご使用ください…かなり効果があります(男女兼用です)


 今日も私は優君の胸に引っ付くように寝ている。さすがに二日続けてソファーではなく、私の部屋だけど。くぅくぅ寝てる優君を下から見上げる。


 今、したいってキスして起こしたら…怒るかな。

 もう少し、もう少しだけ今夜は我慢しないと。

 

 でも一緒に寝てるってことは、いいよ、ってことよね? 

 だって一緒に寝ていい? って聞いたらOKしてくれたんだし。

 い、いいんだよね?

 

 ……でもそんなガツガツして引かれたら……うう、でもしたい、したい、したい。


 薄目を開けて私を見た優君が、背中を軽く叩いてくれてまた寝てしまう。

優しくしてくれるのは嬉しいけど、そうじゃないのに…そういう気分じゃないのかな……。(優:性欲ゲージ75%・玲:120%増加中)


 …っ…………はっ……はーっ、はーっ………もう、いい……よね?

 はっ、はっ、はっ……わ、たし、がんばった…よね。


「ゆーくん、おきてゆーくん」「ん~ん? あきらちゃん? なあに…」

「はっ、はっ、はぁっ、はぁっ……」「え? ちょ、ちょ、どうし」

ちゅぅぅぅっ

「んんぅ!?」

「ぷはっ、はっ、はっ、はっ、…はーっ、はーっ、ふふっ、んっ……もっと…ゆー」

「ちゅっ、ちゅっ、ちゅぅっ…ほら、ここ、触って?」

ぐちゅっ……

「もうずっと疼いてるの。欲しくて欲しくて、しょうがなくて」「……っ」

優君のつばを飲み込む音が聞こえた。

「私のこと、好きにしていいから。ゆーくんへのおねだり…可愛がって? 」

・・・

・・


 最後までしちゃったかどうかは私と優君だけの秘密。

お母さんからもらったスキンの箱の中身は全部なくなっちゃったけど、誰が使ったのかな?


おわり



 本当にここまで読んでいただきありがとうございました。蛇足の蛇足かもしれませんが、書きたいことは全て書き終えました(笑)。(エロいとこは書きはしたんですがちょっと除外を。自分用ということで)

 

 初めて書いた作文みたいな小説もどきですが5月丸々…楽しかったです。近況ノートでその辺は細かく残しとこうと思ってますが、一人だったら書き上げられませんでした。

 綺麗事かもしれませんが読者の方がいてくださって、☆や♡を押して頂きもうちょいつきあってやんよと、頑張れと(幻聴がw)励まして頂いたと思っています。


 もしまた何かを書いてお暇であれば読んでいただければ幸いです。当然つまらなければ即切りできるのがカクヨムの良いところかもしれませんねw


 みなさんにもっとすてきな小説と出会えることを願っています。   

                               Nyamu

                             



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大好きな彼女に浮気されたかもしれない僕は、大好きな再構築系NTR小説に救いを求める!? Nyamu @Nyamu2023

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