第7話
「残りの卵を探したいから、近づいていいだろうか?」
「できるだけ早く終わらせてね。もうちょっと2人のLVを上げたいの。」
俺たちがいたのは、風で草がシャラシャラなる草原。迫撃魔法で草原の一角がごっそり持っていかれている。
「ここにまだ卵があるんだな…」
慎重に爆心地に近づいた俺は、鑑定魔法を使って、生き残ってる卵と破損した卵の場所を特定しようとした。
ふむふむよーく見ると、もやの色が少し違うな。破損した卵と生きてる卵の違いだろう。目をこらすと、地面に卵の破片の奥にまだ生きている卵が顔を出してるのが見えた。
近くに落ちていた枝を使って、卵を見極めて一つ一つの卵を丁寧に破壊していった。
どうやらバッタは卵を地面に産む生態のようだ。
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ふと、鑑定魔法がレベルアップした感覚がしてて、新たな情報が浮かび上がる。
「バッタの新たな知識を得たのでバッタ鑑定のLvが1から2に上がりました。」
「鑑定範囲が強化されます。」
なるほど知識が増えると鑑定魔法は強くなっていくのか。
ふと銀色の粒子が周囲を包む。振り返ると遠くからリーナがこちらを見ている。何だ、そのジト目は?
いま回復魔法を別の方向性で使わなかったか??
「リーナ、なんか変な顔してるけど、どうした?」
「あなたが鑑定でバッタの卵見つけたって大騒ぎしてる間に、私達はこっちでずっと待ってたのよ。あなたが丁寧に丁寧に卵を潰している間ずっと!」
タニアは俺をみて顎をクイッ
俺は慌ててタニアの横に戻る。全速だ、身体強化と疾走を使って駆け寄る。草原最速で戻って来た俺に、リーナはなおもジト目を解かない。
「次はこっちです。枝で土いじりするのは今後控えるように。今の目的は草原で2人のレベル上げです。」
なんとかタニアとリーナを説得して、移動しながら迫撃魔法でバッタの卵を潰すことは許可してもらった。
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狩りを終えた俺たちが宿に到着する頃には、夕焼けが空をオレンジに染め上げていた。草原をひたすら歩き回ったおかげで、腹の虫がギュルギュルと鳴る。宿の1階にある食堂で、俺はタニアとリーナと一緒に席についた。
「うわー、待ちきれないね。肉の串焼きがこんなにも美味しそうに見えるなんて!」つぶやくリーナ。目の前の皿をガン見する俺。
タニアは微笑みながら肉を一口かじると
「お疲れ様でした。無事ステータスを獲得できましたね。」とニッコリ。このエルフかわいい!
俺は串を手に取り、ジューシーな肉を頬張る。まさに天国の味だ。何度もうなずきながら、俺はタニアに話しかけた。
「タニア、ちょっと聞いていいかな。俺、自分のステータスがよくわからなくて。タイプの主人公ってわかるか?」
「主人公ですか?私は学院でステータスを研究していますが、ちょっと聞いたことはないですね。」
食事を楽しみながら、タニアは自身の経歴について語り始めた。
「私はB級冒険者です。冒険者というのは冒険者ギルドに登録してから名乗ることができます。リーナのお父様のジェフさんが私を雇い、あなたたちのステータス獲得に力になるようにと依頼されています。」
判らないことだらけの俺は、情報を一つでも増やすためリーナに目を向けた。
「リーナ、ステータス共有をお願いできるかな?」
「もちろんOKよ!」
リーナはニッコニコである。後から聞いたが、ステータス共有は親しい仲間同士でするものだから嬉しかったらしい。
なおその後タニアにお願いしたら全力でお断りされた。
夕食後、俺たちはそれぞれの寝室に向かった。残念ながら男女別室だったから、俺は自分の部屋で一人、これからの作戦について考えていく。
この世界で生き残るには、まずはレベルを上げることが重要だ。ユニークスキルを上手く使って、少しずつでも進んでいこう。
冒険者でやっていくなら生傷が絶えないだろうし、回復を支えるリーナは必ず仲間に引き入れたい。
それになんたって今の俺は魔法が使えるからな!レベルを上げるしかない。
それにしたってリーナのこのステータス。俺より強くないか?対人で勝てるイメージが湧かないな。
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名前:リーナ Lv3
タイプ:「女」
HP 42/42
MP 64/64
STR 20
VIT 18
AGI 14
INT 16
RES 28
《スキル》
『身体強化LV1』
『剣術LV1』『棍術LV1』『盾術LV1』
『魔力操作LV1』『MP回復LV2』
《魔法》
回復魔法LV2
- ヒール
《ユニークスキル》
『診察診断Lv3』
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名前:ウノレド Lv2 → 3
タイプ:「主人公」「男」
HP 54/54 → 62/62
MP 22/26 → 32/32
STR 12 → 18
VIT 10 → 16
AGI 17 → 23
INT 24 → 30
RES 21 → 24
《スキル》
『身体強化LV2』『疾走LV1』
《魔法》
迫撃魔法LV1
- 60mm迫撃法
《ユニークスキル》
『バッタ鑑定LV1 → Lv2』
『バッタ変換』
バッタを倒すぜ 異世界で ウバロフ @subc
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