第7話 マイグラトリードラゴン

今になってやっと実感が湧いてきた。


この夢は、普通の夢ではない‥‥と


その思いと共に、自分には時間が無いと感じ、自然と歩きだしていた。


「彗人?どうしたの?急に。」


「俺には‥‥いや、俺達には時間がないんだろ?行ってやろうじゃないか!妖精大森林パラダイスとやらに。」


決してヤケクソになったわけでもない。それよりも、ほんの少しでも生きる望みがあるのなら、夢でも現実でも、どこへでも行ってやる。


私はそう決心したのだ。


「あはは、そうこなくっちゃ!」


嬉しそうな表情をするケイトは、いつも私の真向かいで飛びながら話しかけていたが、今回は何やら安心したのか、私の右肩に座りこみ羽を休めた。


「進んでる方向はこれで良い?」


「うん。もう少し進めばギールの集落に到着するよ?」


ギールの集落?何それ?っと言うのを堪えた。冒険者の定番な台詞はやめておこう。


今はこの小さな妖精ちゃんを案内役として進むのが得策であろう。


とはいえ、一つ気になる事がある。妖精大森林迄の距離だ。


500日かかると言われたが、本当にそんな時間がかかるとは思えない。


確かに案内された方角を見ると遠いのは確かだが、私の見る限りは30日あれば到着するのではないかと。


「ね、ねぇ、ケイトちゃん、妖精大森林は本当に500日もかかっちゃうの?俺から見てもそんな時間は‥‥」


私がその質問をしていると、ケイトの顔は徐々に顔つきが険しくなっていく、いや、悲しい顔?だろうか‥‥


「マイグラトリードラゴンよ」


「へ?何て?ドラゴンって言った?」


そうだよな、ここは夢とはいえ何でも常識はずれ。ドラゴンがいたっておかしくはない。


「そうよ?ボク達の妖精大森林はドラゴン達によって占領されたのよ。」


うーむ、手っ取り早く纏めると

『勇者彗人よ、悪の首謀者であるドラゴンを倒し、世界を平和にするのじゃ!パラダイス国王である私、ケイトはお主に期待しておるぞ!?それでは復活の魔法を伝える、ほにゃらららんのほにゃらららん。さて、冒険はまだ続けるか?‥‥』


っと言った感じであろう。復活の魔法は余計だったか。


「だからね、ドラゴンを倒しながら妖精大森林に進むか、ドラゴンを追い払うかをしなければいけないの。」


おいおい、武器も鎧も盾も無い私に何を期待しているんだ、それに、剣を支給されたとしても、剣の扱いは初心者だぞ!


「ちょっと待て待て、野球のバッドくらいなら扱った事あるが、剣道の竹刀とかは扱った事ないぞ!?」


「大丈夫、あなた達人間はとても強いの、いや、強いって言うか、相手の攻撃が遅く見えちゃうのよ」


「???」

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fairy feather 夢で旅する妖精大森林 織田 福之助 @ovaihan8900

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