第6話 体調維持
「お前、大魔王退治とかのゲームやりすぎじゃね?」
同期の
「確かに8年前迄はその類いゲーをしてからは、ゲームは一切してないな」
今日もいつも通り仕事をしているが、昼の休憩中にそう言われてしまった。
「良いか?超ハマるゲームってのがお前の脳を刺激し、離れられなくなる。特にオンゲはな。で?どんなゲームなんだ?」
「いやいや、だからゲームはしてない。さっきも言ったけど、変な夢を見ただけだ。」
「その変な夢を見るってのが、ゲームのやりすぎだからだって俺は言ってるんだぜー」
やれやれ、健慈に話すんじゃなかった。確かにゲーム依存みたいなリアルな夢。まるで大冒険をスタートさせる様な夢だった。
夢で旅する
って良くゲームをしていた10代や20代の頃が懐かしいぜ。
★
「おっそ〜い!」
「え?」
「え?じゃないわよ、戻って来るのが遅いって言ったのよ!?」
小さな小人に私は怒られている。何だ?そしてこのシーン、見た様な見なかった様な‥‥
「い〜い?彗人、あたしたちはね、500日しか時間がないのよ?1日も無駄にできないんだから、毎日こっちの妖精国に来てちょうだい!」
妖精国?
‥‥ッハ!
思い出した。一昨日見た夢の場所だ。
昨日は夢を見なかった、何故だ?
待て待て待て、落ち着け私‥‥
つまり、この夢は、夢だけど‥‥
「そうよ、夢だけど夢じゃなかったってところかなー」
「な、何その何処かの姉妹みたいな台詞。」
見渡す限り一昨日見た場所と同じだ、やはり旅はしないといけないのか‥‥
「彗人は昨日この地にやって来なかった。お酒を飲み過ぎたんでしょー?」
「え?」
確かに部長や課長達に連れられて飲み過ぎた事は確かだ。しかし酒を飲むとこの妖精国には来れないのか?‥‥
「旅をするのはね、あっちの世界の体調を、そのまんま維持するのよ、だから飲み過ぎて熟睡してしまうと、この世界には入りにくいのよねー」
「なんだと?じゃあもう酒を飲むなって事か?」
「そゆうこと〜♪そんな生活していると、妖精大森林に到着する前にあたし達死んじゃうよ?」
おいおい、冗談じゃない!決してアル中ではない、仕事を終えた開放感をビールと共に過ごしてきた私にとっては第一のパートナーだなのに‥‥
「ね、ねぇ、ケイトちゃん。ビールの飲む量を減らすってのはだめかなぁ?」
いつの間にか仕草は手を合わせていた。まるで取引先と交渉している若い頃の私だ。そういう仕草での交渉は、既に結果は判るもので‥‥
「ダーメ!さっき言ったでしょー?体調を維持するって。つまり、酔った状態でこっちの世界に来ても、酔った状態なわけよ。」
なにぃ、じゃあ本当に酒を飲めなくなるではないか‥‥
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