伝説級の老執事が紡ぐ、新時代の主従譚

読ませていただきました。まず一言――これはまたハードボイルドな男のご登場ですね。
応援してくださった夜明快祁さんと趣味が似ていたこともあって、作品世界に自然と引き込まれました。

エヴァルトという老執事、年齢を重ねた男ならではの重厚さと、どこか抜けたお茶目さが絶妙に同居していて、読んでいてとても愛着が湧きます。
それでいて、いざというときは圧倒的な力量で“執行者”として戦場に立つ。まさに伝説級のギャップキャラ。惚れます。

そしてヒロインの令嬢――この方がまた素晴らしい。
いわゆる「主人公のサブ」や「恋愛未満の存在」にとどまらず、芯の通った強さと知性を備えた人物として描かれていて、彼女自身がこの物語のもう一つの柱だと感じました。
エヴァルトとの主従関係も、軽妙な掛け合いの中に深い信頼が滲んでいて、とても心に残る関係性でした。

第1話として理想的な導入でありながら、すでに「次代」や「弟子」の気配がほのめかされていて、今後の展開が楽しみでなりません。
“伝説が語り継がれる円環の物語”という世界観の入り口として、非常に印象深く、上質な始まりでした。

素敵な作品、ありがとうございました。これからも応援しております!

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