作者覚え書き

作者覚え書き

 これは……私の意図を汲み取ってくれる方はあまりいないと思う。私から意味を説明するのはギャグの解説の数百倍は痛いことなので、タイトルから推測してもらうしかない。

 昨夏に関西(神戸だとか京都だとか)に出かけたのだが、今作品の下地はその行きの新幹線で書いたものだ。朝も早かったし、旅への期待感やパッキングの疲れ、さらに新幹線の独特の臭い(私はあれが苦手だ)がない混ぜになって、その時の私は、なんというか、非常に混迷した精神状態になっていた。そして私の創作心は理性の手を離れ、混沌の中を彷徨い歩いた。静岡あたりで書き始め、名古屋に着く頃には立派なナンセンス詩が完成していた。新大阪に停車したのぞみの中で私ははたと正気に戻り、なんて意味不明な文章を書いたのだろうと深く反省した。それっきり、作品はパソコンの未整理フォルダージャングルの奥底にしまわれた。ある意味では、この作品は混沌から生まれ混沌に帰ったとも表現できる。

 これが再び私の目の前に現れたのはおよそ一ヶ月前のことだ。部誌に寄稿する作品の募集が始まり、私も何か書かねばと思いながらフォルダーを漁っていたところ、突如としてこのナンセンス詩が出てきた。私はある思いからこれにいくつかの文章をつけ加え、体裁を整えた。

 まだまだ改善の余地があると思っているし、この作品は私が飽きるまで形を変え続けるとも思っている。

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ナンセンスは箱として、そこに春風を一雫 —鳶田夜凪 筑駒文藝部 @tk_bungei

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