閑話休題 団長…断腸されそうだってよ。

気持ちの風が肌を撫でる。

草木の青い香りが鼻腔を燻る。

そして。。


「ん。。イッテェ。。」


右側頭部を手で触りながら起き上がる。


「まさかフリーの左手の存在を忘れてるとは。。勝負を急ぎ過ぎたな。まだまだだな。。」


と言いながら自分愛用の得物を撫でる。


「うん。折れてない。よかった。感情に支配されてはダメだ。もっと鋭く見なきゃな。」


と言いながら、木剣を片手に立ち上がり周りを見渡し、


「よし、まずはさっきの稽古の分析からか。そうと決まれば早く部屋に戻るか」


そうして俺は玄関に向かおうとして、


「フェンくぅううううううん!!!!!!!よくこの状況で無視できるなああああああああああ!!!!!!こっちを見ろおおおおおおおお!!!!!!」


目を合わすな。何も聞こえない。


イケおじ騎士団長が両手両足を縛られた状態で、2人の部下に取り押さえられ、3人目の部下が剣を両手持ちで握り締め、上段に構えて、助けるよう抗議するその光景はカオスすぎて近寄りたくない。。


「団長の戦闘狂がまさか子供にも及ぶなんて見損ないましたよ!!!!!!よくお嬢様に手を出さずに済ませてますね!!!!!!」


剣を構えてる部下がそう叫ぶ。


「安心してください。痛みは一瞬ですから。」


そこまで聴こえた。


え?その後ですか?


イケおじの絶叫が響いてたそうだよ。


それ以降イケおじの顔を見る事はなかった。


ありがとうイケおじ。


さよならイケおじ。


そう思いながら僕は空を見上げた。


今イケおじが笑った気がした。

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転生したみたいだけど神に会ってないってま!? 名無氏乃御宅 @Tsunami35

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