『少数酒場』 下


 人はなぜ、酔うと分かっていて、お酒を飲むのか?


 これは、正しく、はるかな謎に満ちている。


 ぼくは、和尚さんに会いに、古い歴史のある、かのお寺に出掛けた。


 大きな門があり、その先には長い参道が続く。


 途中には、貴重な野鳥の記念碑が建っていたりもする。


 反対側の敷地には、幼稚園がある。


      🏛️



 『ああ、その謎のおじさんなら、うちにもたまに出る。正体は不明だが、まあ、うちは寺なんでね。招待券ももらってるよ。テレビコマーシャルもやってるが、別に他のコマーシャルの変わりになってるだけで、問題はないでしょ。害もないし。ただ。』


 『ただ?』


 『いやあ、たしかに、昨晩夜中に庭に現れて、こう言ったんだ。〽️おしょうさん、ときら、ちかいぞな。はやくおいでなさい〽️。  とな。』


 『ぞくぞく〰️〰️。((😖)) そりゃ、甘き死よとくきたれ、みたいな?』


 『まあ、ここは、寺だからな。死は常に、隣り合わせなり。』


 『じゃ、いいんだ。それでも。』


 『いやあ、それもまだ、まずいなあ。代替わりしたばかりだし。どうです、こんやあたり、行ってみますか。肝試しですな。はははははは。』


 『いやあ。あの店の場所は、もしかして、例のレコード店ではないですか?』


 『おいらも、そう、思ったよ。先代が奥さんの、語ったことを聴いた話では、あの、レコード店は、この世のものではないかもしれないが……とか。しかも、おいらも、あのあたりには、たまに散歩に行くが、そうした店もレコード店も、見たことがない。』


 『どきっ😵💓』


 『しかし、行っても、別に害はない。と。』


 『なんと!』 


 『ヴィンテージレコード店というものは、それ自体がすでにこの世界とは乖離しているのだ。とか。』


 『まあ、それはそれとして、いいでしょう。今夜、行きましょう。』


 『用心棒として、警護ロボ、キュースリーさんを連れて行きます。常時録画もでき、すべての暴漢を撃退する力があり、また、あらゆる事態に対応可能な、スーパーロボなり。』


 『わかりました。』



     🤖🤖🤖🤖🤖


 

 地球防衛安全保障対策国際会議議長、パト・リック氏は、椅子にもたれ掛かった。


 『これは、結局のところ、なんだ。』


 シポク参謀は、いつも、冷静に、静かに語るのである。


 『正体はわかりました。 160年前に、地球が発射した、AI探査機、フューチャーワン。と、思われます。』


 『なぜ、帰ってきた?』


 『さあ? しかし、はるかに、進化していますね。自らをさかんに改造したようです。フューチャーワンからの通告では、あらゆる戦争、紛争を、ただちにやめなければ、地球を破壊すると。期限は今夜。』


 『各国首脳には?』


 『伝えてあります。しかし、反応は、ぱっとしませんな。オカルトだと、みな、一様に言っています。そこは、すぐに一致をみた、ようすなあ。』


 『見ているしかないか。』


 『我々には、武器はありませんし。張子の虎ですな。』



   🍶🍶🍶🍶🍶🍶🍶



 なにがどうなってるのか、良く解らないが、みな、打ち解けて、程よい宴会になった。


 地球が滅亡しても、宴会は止まらないのであった。


 

    🙇🙇🙇🙇🙇


         おわり


 

 


 

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『少数酒場』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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