第7話「共犯作戦」

1回目のデートを終えて少し自信がついた。それでも俺はあと3回のデートで秋野さんと本当に付き合わないといけない。使えるものは使っていこう。




俺は1つの作戦を実行することにした。

それは・・・・

「川崎さん」

「えっ、あっどうしたの?」

驚いているようだった。

「放課後ちょっとだけ残っててくれない?」

「え、あ、え?」

「それじゃ~よろしく~」

「あ、ねぇちょっと、」

返事を聞かずに俺は教室を出て行った。



~放課後~

「で、何?」

「あのさ。」

「まずは1つ、ありがとう。」

「えっな、なんのこと?」

「罰ゲームだとしても秋野さんと付き合わせてくれて」

「な、何で知ってるの?!」

しっかり口で言われると何か心に来るものがあるけど・・・・

「俺は本気でこの1か月で秋野さんと付き合うところまで行きたいんだ。

だからさ、俺と協力してくれないかな?」

「え、いや、ちょっと・・・・」

それじゃあ俺は必殺技を使うとしよう。

「今流行のケーキ屋さんわかるか?」

「え、えぇ。まぁ。」

「それじゃそのケーキを好きなだけ・・・・」

「いいの?!」

響きすぎてびっくりした。

彼女が流行に乗ろうとするのは事前調査済みだったのだが・・・・

まさかここまでとは。

「まぁ俺と一緒の時だけになっちゃうけど」

「それで私は何をすればいいわけ?」

オーケーらしい。

「そう・・・・だな・・・」

「Wデートなんてどうだ?俺と秋野。川崎さんと幸田で」

「え?夕凪君?」

「幸田がどうかしたか?」

「いやなんでもないわ。わかった。でも代わりにケーキよろしくね?」

「おう。まかせろ」

「それじゃ。私は教室戻るから。」

「うん。ありがとう」

「それと、ごめんなさい。私はあなたを傷つけた。本当にごめんなさい」

驚いた・・・・が

「俺はこれがなかったら秋野さんにかかわることもできなかった。罰ゲームだと知ったときは苦しいし心が痛んだけど。」

「だから。    ありがとう    」

川崎さんはふふっと笑いながら教室に戻っていった。


こうして2人の協力が始まった。




私は六華には幸せになってほしいと思っていた。

初野にはつらいだろうけどだから六華のことが好きって言っていた初野を罰ゲームの相手に選んだ。

本来私はもっと恨まれるべきなんだ。初野にも六華にも。

だから2人をつなげられるようになろうと思ったのだけれど。

初野が諦めてないなんてね。もうあきらめてると思ってたから意外だった。

それに協力も求められた。六華には幸せになってほしい。

「初野。六華をよろしくね」

教室を出るとき、私は初野には聞こえないようにボソッと祈るように声を上げた。








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告白のかなたへ 雫空 @suzuku

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