第6話「まさかの・・・・・?」

「楽しかったね」

「そうね」

水族館を出ようとしたとき大きな音が鳴った。

ドーン。

その音と一緒に彼女がふらついた。周りを見渡してから彼女を見直すと地面にしゃがんでいる。怖かったのだろう。

「あ~~天気予報でも明日の朝までずっとふてるみたいだね。」

「はぁほんと最悪」

「え?」

「いやなんでもないわ」

何かつぶやいていたようだが・・・・まぁいい

電車も運転見合わせのようだ。

事前に周りのことを調べててよかったな。

「じゃあ今日はホテルに泊まろうか」

「まぁ、そうするしかないわよね」



まさか初デートでホテルまで来るなんてな。

・・・・・・・・・ホテルまで?

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!ホッホテル?!

彼女に先にシャワーを浴びさせたけど・・・・どう考えてもこの状況やばすぎるだろ?!

さすがに初デートでそういうのはしないでしょ。・・・・・多分。

ベット1つしかないケドネ。

今日は床で寝ることにしますか。

パシャ、パシャシャ。

スゥゥゥゥゥーーーーー。煩悩退散悪霊退散!

「はぁ。お風呂あがったわよ。次はいったら?」

「うん。ありがとう」




な・ん・で!初デートで。しかも知り合ったばっかりの人とホテルにいるのよ!!!

寒いし雷の音でかくて心臓に悪いししょうがないけど・・・・。

そういうことはされないように今日は床で寝よう。そうしよう。

イルカショーは楽しかったのに。

みのり~~~~助けてよぉ~~~。


「あがったよ」

ごはんはメニューのを頼んだ。唐揚げとスパゲッティだ。今日はもう早く寝たい。

「それじゃ秋野さんはベットで寝ててね。」

「は?」

「はい!ごめんなさい!いやそういうのじゃなくて」

「疲れてるし怖いんでしょ?」

「だから秋野さんはベット使ってね。」

「初野君は?」

「俺は床で寝る」

「あっそ。ありがと」

寝に行ってしまった。

まぁ期待していないとは言わないがもう少し恥じらいとかがあってもよかった気がする。

床のカーペットは少し硬かった。



朝起きた。昨夜はなにもされないように寝ないと決めたはずなのに。

ベットのおかげかな?

初野くんは床で寝ていた。

何も起こさずに・・・・・。

不安だったけど少しくらいお礼を言わないと。

起きたらいってあげることにしよう。

口角が上がるのに気づかずに私は支度を始めた。



「う~~~~nn」

体が痛い。それに疲れが・・・・・。

ここまで体に響くと思わなかった。秋野さんは眠れたのだろうか?

「初野君。昨日はベット譲ってくれてありがと。」

そっか。それならいいだろう。許してやる。感謝しろよ?床君。

「初野君。」

「何?」

「帰るわよ。」

その顔には少し笑顔が見られた。それだけで成功といってもいいだろう。



こうして俺の初デートが終わった。

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