第5話「1回目のデート」

土曜日____

1回目のデート。まずは水族館にしようと思った。

デートの定番。いるかとかもいるし会話には困らない・・・・はず!

落ち込みたいけど、決めたから。あきらめるわけにはいかない。

ちょっと早く出て確認でもしながら行くか。

少しつらい気持ちもあったがそれでも家を出た。


駅____

8時30分。思ったよりも早く着いちゃったな。

まず絶対行きたいのがイルカショーとペンギンの餌やり。

他に行きたいところはカフェとお土産屋さんってところ・・・・かな。

もしいやだって言われた時用に周りの建物とかも調べたし大丈夫なはず。

「はぁ」

来ると信じてたけど来ないってこともあると思ってしまった。

友達に嘘の話をすればいいだけなんだからそりゃそうだよな。



9時30分_____

「初野君」

急に目が覚めたような感覚になった。

「遅れてごめんなさい」

「俺も今来たとこ。」

こんなおもむろに定番の会話を終えて水族館に行くことにした。



嫌われてフラれるんだ。

「そのために遅れてきたのに・・・・・」

文句も言わずに進めるなんて。

早くフラれてこんなのより早く、早くもっと楽しいことがしたいのに。

来てしまった以上今から断るのは無理だろう。

それに、後ろつけてる人もいるしね。

みのりだ。

「はぁ」

ほんとにどうすればいいのよ・・・・・



12時_____

「昼ごはんはカフェでいい?」

「そうねそうしましょうか」

了承してくれた。調べる必要なかったかもな。

「うわぁぁぁぁぁあ!なにこれかわいい!」

秋野さんはペンギンのハンバーガーセットを頼んでいた。

パンにペンギンがいて、ドリンクはカラフルでキラキラしている。

テンションが上がっているようで初めてといってもいいほどニコニコしていた。

「ふふっ喜んでもらえてよかったよ。」

俺も心から嬉しくなれた。



イルカショー___

イルカショーだ。来たかったところ。ここのイルカのパフォーマンスはすごく、たまにふつうはできないような技をしてくれるのだ。カッパを

買うことにした。入った瞬間雨が降り始めた。それもかなり強いらしい。イルカショーは継続できるらしい。

「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」

空中で回転しながら他の3匹のイルカとぶつからないように噴水のように動いている。

秋野さんも初めて見たみたいで目がキラキラしていた。その時、最後にイルカが水面におなかを叩きつけるように落ちた。ぱーーん。そんな音と一緒に大量の水が‥‥カッパ買っててよかったな。びっしょびしょだ。

「あははは」」

「ふふふ」

顔を見合わせて笑った。初めて近づけたと思った。そして、そのように笑う彼女が可愛かった。

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